第19回東京国際映画祭ブログ

2006/10/26 PM 9:45

『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』記者会見

『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』記者会見

10月26日(木)に行われた記者会見の中でとりわけ興味を持った作品──それは、『ロスト・イン・ラマンチャ』(2001/テリー・ギリアム監督の未完成作の企画成立から崩壊までを追ったドキュメンタリー)などで知られるキース・フルトン&ルイス・ペペ監督の新作『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』。1975年のイギリスでデビューを飾った結合体双生児ロックバンド、ザ・バンバンの栄光と悲劇を描いた、何とも不思議なこの映画の話を聞いてみたい!と思い、初来日だという両監督の元へ取材に行ってきました。

10年以上に渡って一緒にドキュメンタリー映画に取り組んできたキースとルイスにとって、これが初めてのフィクション映画。でも「この原作を映画化するにあたってはドキュメンタリーの手法をとることが適切だと思ったんだ」とキースが語るように、『ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド』は、フィクションの中にドキュメンタリーが存在しているかのような真実と虚構の境目が描かれているのです。それはドキュメンタリーに精通している2人だからこそ成せた業。そんな精神を彼らはテリー・ギリアムに教わったのだとか。「テリー・ギリアムは素晴らしい師匠だよ! 彼から学んだ一番の教えは「映画人として大胆であれ!リスクを恐れるな!シネマを楽しめ!』」なんだとルイス。

また、「ドキュメンタリーとフィクションは別物として捉えていないんだ。ドキュメンタリーを撮っていると人間の本質を模索することができる。それはフィクション映画を撮るときの大切なツールでもある。フィクションはセットアップされて本質が見えなくなりがちだからね。一方、フィクション映画の醍醐味はひとつの世界を創り上げること。それもエキサイティングだよ」とルイスが熱く語る横で手持ちのビデオカメラで会見席を撮影するキース。この何気ない興味が映画作りに繋がっているのかも(笑)。

「他の人間が入り込む余地がないくらい僕らは仲がいいんだ」という2人でも音楽の趣味は少々異なったよう。というのは──「僕が当時のパンクロッカーたちの前に行ったら彼らから唾を吐きかけられると思うよ。だって、対極にあるレッド・ツェッペリンやピンク・フロイドを聴いていたんだからね(苦笑)。でも、今の年齢(43歳)でストレスを発散するにはパンクロックはもってこいだよ!」と言うキースに対してルイスは「パンクロックが人気だった頃、僕はベートーヴェンやリストを聴いていたんだ(笑)。でも、彼らも19世紀のパンクロッカーだったんじゃないかな」人を引き寄せる不思議な魅力を持った監督たちでした!

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