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      <title>映画業界人ブログ（矢田部吉彦）</title>
      <link>http://blog.cinemacafe.net/showbiz/</link>
      <description>矢田部吉彦：1966年生まれ。東京国際映画祭コンペティションプログラミング・ディレクター。2002年から映画祭へスタッフ入りし、現在上映作品の選定を行う作品部の統括を担当。</description>
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      <copyright>Copyright 2010 cafegroove Corporation. All Rights Reserved.</copyright>
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         <title>松江哲明とその世代</title>
         <description><![CDATA[映画監督に会うのが苦手である。畏敬の対象である監督に何を言っていいか分からない。気の効いたことを言って、相手に自分の存在を認めてもらいたいというスケベ心を自覚しているので、気の効いたことを言えるはずもない自分に向きあうのも嫌だ。できれば会わずに済ませたいと思ってしまう。今年、巨匠マルコ・ベロッキオを紹介されたときは本気で逃げようかと思ったし、生きている監督の中で最も好きかもしれないアルノー・デプレシャン監督に3月に会ったときは、何も言えない自分を心底呪った。

監督の懐に飛び込んで、付き合いを深め、そして新作を自分のところの映画祭に持ってきてもらうように仕向けるのが映画祭ディレクターの仕事だとしたら、僕はまったくその任に適していないことになる。映画人たるもの、朝まで飲んでナンボ、という空気がある中で、僕は飲みに行くのは大好きだけど、1次会が終わる頃には早く帰って寝たいなと思ってしまう（か、実際にその場で寝てしまう）。

そんな僕が最も深い付き合いをしたのが佐藤真監督で、一緒に飲みに行くどころか、映画作りを手伝うことにまでなってしまった。映画祭業務と並行して映画製作に参加したけれど、映画監督に対する必要以上の距離感を払拭してくれたのは、佐藤監督だったのだと思う。来週の9月4日（土）は、佐藤さんの3回目の命日である。

さて、松江哲明である。現在、最も刺激的な映画を作る監督である。僕よりずっと年少である。何回も、お会いはしている。でも、同じ飲みの席に会したことはあるものの、どっぷり語りあったことはない。連絡をすれば、多分サシで会ってくれるだろうと思うし、友達づきあいを希望したら実現の可能性はゼロではないかもしれない。でも、あの人懐っこい笑顔の下に、極めて優秀な頭脳と溢れる才能があることを知っているので、僕はやはり言葉を失うと思う。いまはこのくらいの片想いでちょうどいい。

そんな松江監督が、9月に本を上梓するという。しかも、「ヤタベさん、ゲラを読んでくれませんか？」と本人からメールが届いた。僕が？　ゲラ？　なんで？　と自問しているうちに（もちろん快諾したけど）<strong>「セルフ・ドキュメンタリー　映画監督・松江哲明ができるまで」</strong>と題された本のゲラが出版社から送られてきた。

今日の日曜日、早朝からDVDと格闘し、そして資料作りに一日を費やすことを決めていた。しかし、朝、不覚にもゲラに手を伸ばした瞬間、一日の予定が全部ふっとんだ。映画とドキュメンタリーに関する思考に頭が完全に支配され、客観的な映画の仕事を遂行することは不可能になってしまった。

本書と並行して、佐藤真の著による「ドキュメンタリーの修辞学」に収められている「私的ドキュメンタリー私論」が必読とされるが、90年代以降に主流となった「セルフ・ドキュメンタリー」の実践者としての松江監督の考え方があますところなく述べられている本書は、最も新しく重要な現代ドキュメンタリー論として映画界に屹立するだろう。佐藤亡きいま、この意義は計り知れないほど大きい。

セルフ・ドキュメンタリーとは、簡単に言えば家族や知人といった身近な対象を扱う作品のことであり、三里塚闘争や水俣病に代表される政治や社会のあり方に迫る作品との対立概念的に使われることが多い。佐藤はセルフ・ドキュメンタリーが戦略性に欠けることがある点を危惧しており、身近なテーマを描くことは1度は面白いが、2度目が続かないという「一発屋」に終わる危険性を若い監督たちの中に見出していた。

しかし、これは佐藤の著書にも、今回の松江の本にも書かれてはいないが、最初の作品を超えられない恐怖というのは、佐藤真本人が最も感じていたことである。3年をかけて完成させた処女作『阿賀に生きる』を超える作品を撮ることはできないのではないか、という葛藤は常に佐藤監督の中にあった。

それはセルフ・ドキュメンタリーを巡る議論とは直接的に関係しない部分も多いので詳しくは入り込まないけれど、ともかく若い監督達に対する佐藤さんのまなざしは常に暖かく、松江さんのことも大好きだったみたいだし、松江さんも批判されながらもきっちりと答えを出し、佐藤さんを尊敬している様子が本書からも伺える。

確かに、佐藤の危惧を読むまでもなく、身近な存在にキャメラを向けることで高評価に包まれたキャリアをスタートさせた監督達の多くが、2本目を撮れないでいる。

そんな中、10年前に「セルフ・ドュメンタリー」であるデビュー作『あんにょんキムチ』で喝采を浴びて以来、コンスタントに作品を発表し続け、童貞、林由美香、前野健太と吉祥寺、という武器を手にして軽々と処女作を打ち破っていく松江哲明は、日本映画史上に前例の無い画期的な存在になりつつある。

ともかく、デビュー作の呪縛や、身近なテーマの限界を、AVの現場で取得した方法論を昇華させる形で超えていくという過程があまりにも画期的であり、そういう意味で松江はビデオ／デジタル／ノンリニア時代の寵児であり、他に類を見出せない存在であることは間違いない（もっとも、「呪縛」とか「限界」という単語が松江の筆から発せられることはなく、これらは読んでいるこちらの邪推であり、本書のトーンは極めて明快で、爽やかですらある）。

松江監督のこの10年間が記された本書、「極めてとてつもなく面白い」としか言えない。こんなこと、本人に言えるだろうか？　もう少し、批評めいたことを言えた方が信頼されるのではないか？　とか、色々考えてしまうと、やはり本人には会いづらい。メールで感想を送るべきだろうけど、どうしよう。ともかく、興奮した日曜の午後、冷静になる前にブログだけはアップしてしまおう。ずるいかな。

あとは、来週、佐藤さんの墓前に本書を供えてこようか。佐藤さんに「あんにょん由美香」と「ライブテープ」、見せたかったなあ。

しかし、それにしても、ちょっとこの世代はヤバイのではないか。

山下敦弘＆近藤龍人（76年生）、松江哲明（77年）、横浜聡子（78年）、廣末哲万（78年）、入江悠（79年）…。70年代後半に生まれた世代が、少しずつ集まり始め、1つの動きを作りだしていくような気がしてならない。日本映画界を刷新するのは、彼らではないか？　この世代の力を集結させられないものか？　誰かきちんと評価してくれないか？　ネオ・リアリズモでも、ヌーヴェル・ヴァーグでも、ドグマ95でも、集団的な映画のうねりに表札が立つことで世界的な訴求力が高まる。日本の黄金の50年代は、総括する呼称がなかったために世界映画史における認知度が本来あるべき高みに達していない、と書いていたのは蓮實重彦だったか。

僕にできることはあるだろうか？　少なくとも、映画監督に会うのが苦手だと言っている場合ではなさそうだ。
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         <pubDate>Mon, 30 Aug 2010 00:43:22 +0900</pubDate>
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         <title>8月終盤、骨順調（らしい）</title>
         <description>8月も残すところ数日。映画祭で上映される作品の選定作業は、8月一杯で一定の目処をつけることをまずは目標としているので、1年で最も胃がキリキリする日々が続きます。いや、これは比喩で、僕は胃が丈夫なのか、あまり痛まないのですけどね。緊張の症状は他のところに出るのですが、長くなるので今日は省略。

でも、8月にこの業務のピークが来ることの最大のつらさは、みんなが海だ山だ花火だビールだと言っているときに修行僧のような生活を送らなくてはいけないことではなくて（ただの愚痴に過ぎない）、東京に作品を出品してもらうための交渉相手である海外の担当者が、夏休みでいなくなってしまうことです。

8月は上旬にロカルノ映画祭があり、海外勢はみんなそれで忙しい（当然メールのレスが鈍くなる）。終わると一斉に夏休みを取り、延々と戻ってこない（メールは止まる）。やっと戻ってきたかと思うと、9月頭から始まるベネチア映画祭の準備で忙殺される（メールは無視される）。

出品の細かい交渉をしてくれている同僚Y嬢が、あらゆる神業を駆使して先方の担当者をおびき出し、鉄の粘りと権謀術数の果てに話をまとめあげてくれているのですが、僕は隣でそれを応援するばかり。当然、交渉するにも時差があるので、8月に入ってから平均退社時刻は2時を回っているはず。これで10月まで体がもつのか？　と毎年思うのだけれど、毎年何とかなっているので、まあ今年もなんとかなるのかな。でも、Y嬢が20代であるのに対して、僕は40代。いつまでも、あると思うな親と体力、だよな。

実際には、諸々の事情で作業は9月にも少しこぼれてしまうのですが、目標は8月一杯と掲げておかないとズルズルになってしまう。なので、ともかく頑張るのでした。

というわけで、昨日の金曜も帰宅が4時。速攻で寝て、4時間後に意志を振り絞って起床。そろそろ足を診てもらわないと本格的にヤバイので、入院していた多摩方面の病院へ。骨の状態ももちろん気になるけれど、最近ハンパではない膝から下のむくみも心配。むくみが固い粘土みたいになっていて、指でぐっと押すと、粘土を押したように、指の跡がそのまま穴になって残ってしまう。かなり、気持ち悪い（でもちょっと面白い）。これは実際に見ないと通じないかも。

さて、1か月振りにレントゲンを撮って、診察。真っ二つに折れた箇所の周りに、前には薄く1本しかなかった白いヒゲのようなものが、いまはモヤモヤっとした感じで増えている。これが「骨が繋がる」という過程らしい。主治医の先生も、リハビリの先生も、揃って「かなり（骨が）できてきましたね」とのこと。「仕事の都合で、10月の下旬には松葉杖なしで歩けるようになっていたいのですが、どうでしょう？」と聞いてみると、「多分大丈夫でしょう」。おお。

映画祭本番になると司会などで人前に出ることが増えるので、松葉杖ではちょっと無理かなあ（変な目立ち方をするのもよくないし）と心配していたのです。ようやく光明が見えてきたかな。

そして、ついに、ケガをした左足に少し加重してもいい、ということになった！　いままでは全く左足を地面についていなかったのだけれど、骨が今くらいの段階に来たら、逆に足に刺激を与えることで骨も育ちやすくなるし、むくみも取れていくはずとのこと。

少し安心して、帰宅。チェックが必要なDVDがまだ少しあるので、8月の全ての週末のように、部屋にこもってDVDマラソン。そしてこれが今年最後のDVDマラソンになるはず。来週末も見ている事態だけは避けなければならない！
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         <pubDate>Sat, 28 Aug 2010 23:44:09 +0900</pubDate>
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         <title>ギザ怖い、他2題</title>
         <description><![CDATA[<strong>【ギザ怖い】</strong>

もうかなり慣れてきたけれど、松葉杖で当初どうにも難しかったのが、エスカレーターにタイミングよく乗ること。前にも書きましたけどね。杖を先に出すか、足で先に着地をするのか、瞬時の判断に迷ってしまうのです。エスカレーターが先行してバランスを崩してしまうのではないかという想像が頭をかすめて、怖い。特に下り。

でも、ケガをする前からもエスカレーターは怖い存在で、長いエスカレーターに人がびっしり並んで乗っているとき、上から将棋倒しで人が倒れてきたらどうなっちゃうだろう、と考えてしまうことがよくありました。エスカレーターというものは、とにかく狭くて、上から人が降ってきたら全く逃げ場がない（という理由だけではないけれど、トレーニングのためにも前はひたすら階段を利用していて、ケガをするまで地下鉄のエスカレーターに乗ることは滅多になかった）。

そして何よりも、あのギザギザが怖い。転んで、あの角のギザギザに顔をぶつけたら、軽く目玉とかえぐり出そうじゃないですか。あのギザギザは、どうにも取り返しのつかない形状をしている…。

思えば、物心がついてから40年ほど経とうとしている中で、当時に比べたらほとんどの電化装置は進化しているけれど、エスカレーターは全く変わらないような気がする。外国でも、ギザギザの無いエスカレーターを見たことがない。エスカレーターはあのギザギザを身にまとった瞬間に、究極的に完成してしまったのだろうか？　エスカレーター業界に技術革命は起きないのだろうか？

エスカレーターの恐怖を描いた映画ってあるかしらん、と午前の会議の最中にずっと考えていたのだけれど、浮かばない。『ダイ・ハード』（2かな）でエスカレーターが効果的に用いられていた気がするけど、恐怖の対象ではなかったはず。ホラー映画にあまり詳しくないというのもあるけど、何かあったら教えて欲しい！

<strong>【無言立ち青年】</strong>

松葉杖の地下鉄通勤を始めてほぼ1か月、まあ席を譲ってもらえるのは5回に1回くらい。そんなに悪い確率でもないのかな。でも、距離が短いと立っている方が楽な場合もあって（座って立つ動作が面倒）、なかなか微妙なものです。譲られると逆に困るような状況では、わざと熱心に吊り広告を読みふけっているようなフリをしたり、いろいろ面倒な駆け引きがあったりします。

で、今朝乗った日比谷線。座ってイヤホンをしながら本を読んでいた青年が、脇に立っている僕をチラリとにらみ、どちらかと言えば苦々しそうな顔で立ちあがり、無言のまま車両内を移動していった（そして離れた席に座った）。なんせ無言なので、譲られたのかどうかが分からない。多分そうなのだろうな。でも、僕も座る気なかったし、なんだかとても気まずい感じだけが、そこに残ってしまった。青年よ、会話しようぜ！

<strong>【訃報】</strong>

梨元さんの訃報には本当にびっくりした。週刊朝日や週刊文春で元気な連載を読んでいたので、驚きはなおさら。僕が入院中、梨元さんがいかに入院先で仕事しているかという記事を読み、これは頑張って自分の病室も仕事環境を整えねば、と励まされたのがほんの１か月くらい前だ…。

僕の親友H君は、大学時代に梨元さんのお嬢さんの家庭教師をしていました。それが縁で、H君の結婚式の折には梨元さんが突撃レポーターとして登場し、新郎新婦を直撃インタビューするというパフォーマンスを披露してくれたのでした。結婚式の盛り上がったことといったら！　何ていい人だろう、と感激したものです。

心より、ご冥福をお祈り申し上げます。
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         <pubDate>Tue, 24 Aug 2010 23:12:05 +0900</pubDate>
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         <title>（深夜ひとり）夏フェス</title>
         <description>「ゾーンに入る」という言葉があるけれど、これは集中力が高まって仕事の効率が異常に上がる、くらいの意味かな。8月もいよいよ後半戦！　ということで、効率が上がっているかどうかはさておき、何となくゾーンに入っているような感じ。作品選定作業が佳境に入り、完全に映画モードに没入しているというか、映画や業務以外の余計な事を考えないようになってきて、頭の切り替えが面倒なので、本も映画本しか読まない。

いや、これではちょっとカッコつけているな。実際は、週末は遊びに行きたいなあとか、平日は早く帰って飲みに行きたいなあとか思ってばかりの煩悩の犬だけれど、さすがに8月は試験前の追い込み的な危機感が上回るということかな。

そして、自分の性格を知っているのでいささか心配はしていたけれど、やはりここ2週間は全く病院どころではなくなり、診療の予約もリハビリも全てキャンセルしてしまった。数日前の夜中に自宅内で松葉杖を滑らせて膝を地面に突いてしまい、骨折した箇所がズキズキと痛いのだけど、もう当面は無視することにした。どうせ病院に行っても骨がくっつく速度が上がるわけではないし、時間がもったいない…。

で、時間が無くて焦っている時ほど時間が早く過ぎるのは世の常で、ブログに近づく間もないほど先週1週間も瞬時に過ぎてしまった。

昨日の土曜日は、自宅で午前9時から午前1時までノンストップで仕事のDVDをひたすら見続ける。16時間連続で映画を見続けると、もう何がなんだか分からなくなってしまいそうなものだけれど、でも感動モノにはちゃんと感動できたりして、まあ何とかなるもんですね。

午前1時にさすがに切り上げたのだけど、このまま寝るのもシャクだったので（遠くで花火の音がずっと聞こえていたりしたし）、家の棚から『ラスト・ワルツ』を引っ張り出して、ここでようやくビールとともにひとり夏フェス。『ラスト・ワルツ』はもったいないので1〜2年に1回くらいしか見ないことにしているのだけど、今日はいいだろうということで。

ロビー・ロバートソン以上にカッコいいギタリストが果たして地上にいるだろうか、とビールが回り始めた頭で考えながら、いつものように「The Weight」と「Helpless」と「Forever Young」と「I shall be released」を一緒に歌い、3時にダウン。かなりの音量で見てました。ご近所のみなさん、ごめんなさい…。

日曜も同じくひたすらDVDマラソン。今が正念場。がんばりましょう。
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         <pubDate>Sun, 22 Aug 2010 21:26:38 +0900</pubDate>
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         <title>夢話の続き＋映画本1冊</title>
         <description><![CDATA[前回夢のことを書いたからでもないだろうけれど、昨晩、落語家として初高座に上がる夢を見た…。僕は春風亭小春という名前らしく（こんな落語家さんは実在しません、「小春」さんは談春師匠のお弟子さんです）、前座として寄席デビューで緊張しまくる夢。

お客は5人で、座布団に正座してお辞儀して、「えー、私、本日が初の高座でございます」とか言って、何か創作落語的な話をしているのだけど当然メチャクチャ。結局下げ（オチ）を忘れて終わるに終われないという超リアルな展開で、目が覚めてもしばらくドキドキしてしまった…。おまけに最後に師匠が舞台に出てきて指導してくれて、その師匠というのが柳家小さん師匠！　なんとも図々しくも幸せな夢だったなあ。

その夢を見る前の金曜日に戻ると、職場を出るのが午前2時を回ってしまい、疲れたねえと同僚とコンビニでビールを買い、バス停のベンチで乾杯。夏の蒸し暑い夜の屋外ビールは、例えこんな状況でも良いもので、ちょっと東南アジアに旅行に来ている気分！　例年通り夏休みが1秒もないので（まあ今年は6月に1か月寝ていたけれど）、こういうところで少しでも夏を味わっておかないとね。

帰宅して3時。翌朝土曜日は、入院していた病院に行って診察の予定だったのが…。ここで無理に早起きして、レントゲン撮って「まだですねえ」という言葉を聞くだけのために往復3時間かけて半日潰すのがいいか、それともちゃんと寝て体力の回復を図り、一枚でも多くの映画祭候補作品DVDを見るのがいいか、結構悩んだ末に後者を選択。

というわけで、土日はずっと家にこもって仕事。およそ17本の映画に目を通し、失望と諦念と歓喜と安堵の間をひたすら行き来しつつ、合間は例によって少しずつ読書：

<strong>・「トラック野郎風雲録」（鈴木則文著）</strong>
「緋牡丹博徒」シリーズに心酔していた結果、鈴木則文という名前は僕にとって常に特別な存在であるけれども、では「トラック野郎」シリーズを熱心に見ていたかというと、決してそうでもないというのが正直なところで、本書はそんな自分に猛反省を強いる1冊。

近年再評価の動きも著しいこのシリーズに対する鈴木則文監督の愛情が十二分に伝わってくる。初出がトラック専門誌の連載だったとのことで、親戚に対して書いているような親しみがこもった文章がとてもいい。60年代から80年代にかけての日本映画史にとっても非常に貴重な本であることは言うまでもなく、次は誰か、ソクブン監督の助監督時代を含めた全キャリアの聞き起こし本を作ってくれないかなあ。
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         <link>http://blog.cinemacafe.net/showbiz/archives/yatabe/014299.php</link>
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         <pubDate>Mon, 16 Aug 2010 00:14:00 +0900</pubDate>
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         <title>真夏の夢</title>
         <description>さきほど、秋の河口湖フルマラソンの登録申込書が届いた！　もちろん資料請求したのではなくて、去年出たから自動的に送られてきたのだけど。11月28日か…。ひょっとして間に合う？　いやいや、冗談にもならない。その時までに歩けるようになっているかどうかも分からないのに。

またランニングが出来るようになる日を夢見て、今は汗だくになりながら松葉杖で地下鉄通勤する日々。職場に着くと、もう上半身は汗でズブ濡れ状態。本日金曜日は着るシャツ（の生地）の選択を間違え、上半身スケスケ状態になってしまった。もう『ザ・ディープ』のジャクリーン・ビセット状態。って通じないかな。ともかく、セクシーどころか、見苦しいだけなので、服が多少乾くまで陰で待機。

お盆休みで地下鉄が空いているのが幸い。来週になって東京が通常モードになったら、松葉杖電車通勤はもうつらいかな。

問題は、仕事の慌しさに拍車がかかり、これまで週に2〜3日は午前中にリハビリに通っていたのが、ちょっとその暇もなくなってきてしまったこと。今週も予約を2回キャンセルしてしまった。足の回復を仕事に優先させるべきなのだろうけど、んー、8月半ばともなると、なかなかそうも行かない…。

たくさん会議をして、業務用DVDを見ているうちに、瞬く間に今週も過ぎてしまった感じ。たくさんの人とも会ったけれども、不思議な会合もいくつかあって、その中でもKO大学の学生さんから取材を受けたのが面白かったですね。社会学科関係の課題だったのかな？　5名の学生さんから、現在の仕事の内容と、どうやってそこにたどりついたか、その前は何をしていたか、どんな学生だったか、どんな子供だったか、どんな友達がいたか、などなど。

「子供の頃の夢は何でしたか？　」

むむー。忘れた。何年も何十年も思い出したことがなかった。この質問は、その日の夜に追加質問としてメールで送られてきたのだけれど、職場の机に向かいながら、まるでエアポケットに落ちたように頭が空っぽになってしまった。そうだよなあ、一体、夢は何だったろうか？

何となく、こういう質問に想いを馳せるには、真夏という季節は向いていますね。とてもよい気分転換になりました。学生のみなさん、どうもありがとう！
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         <pubDate>Sat, 14 Aug 2010 01:16:06 +0900</pubDate>
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         <title>DVD週末＋映画本2冊</title>
         <description><![CDATA[ブログを書くようになって3年ですが、8月は毎年同じことを書いている気がしますね。要は泣き言。夏を封印して部屋にこもり、ひたすら選考用DVDを見続けて、決められなくて焦るという、判で押したような同じ内容です。で、今年も同じ。いや、そこに松葉杖生活が加わって、事態はよりカナシイのだけれど、愚痴を書くのは極力抑えるとして…。

ところで、海外の映画祭に行っている時にも感じることがあって、それは良い映画に出会う日と、そうでなく冴えない日とが交互にやってくる印象があること。もっとも、良いことがあっても調子に乗るな、冴えないことが続いても明日に期待しろ、と自分に言い聞かせているだけかもしれませんけどね。

で、土日の集中カンヅメで、見たDVDがおよそ15本。全編を見るとすると、8時起きで午前に2本、午後に3本、夜に3本、が限界というところかな。7日の土曜日はひたすら悲惨で、午後から夜にかけて見たのが、幼児虐待、幼児虐待、激しいDV、一家惨殺強盗、の4連続。

事前に内容を知るのが好きではないので（内容以外の周辺情報は確認するけど）、偶然とはいえこの4連続には完全にグロッキー。グロッキーって死語かな。ともかく、もう世の中には夢も希望もない、ついでに自分も消えてしまいたいという絶望的な気分に包まれ、深い闇に墜ちていく…。

しかし、「翌日のジンクス」は生きていた！　日曜日。朝こそ暗い気分を引きずっていたものの、午後に多少救いのある作品に励まされ、そして夜には遂に素晴らしい1本に巡り会って涙目。ああ、よかった。最後の最後に報われた。

いや、もちろん、テーマが鬼畜的でも優れた作品はたくさんあるし、そのくらいは承知してこの仕事をしているけれども、それでも冒頭から幼児が犯されていたり、妻が夫から激しい暴力をふるわれたりする作品を立て続けに見ると、落ち込みます。こっちも一応人間だし…。

さて、例によって息抜きは、DVD鑑賞の合間の読書。

<strong>・『世界ブルース・リー宣言　〜龍教聖典〜』（江戸木純著）</strong>
熱い熱い熱い！　筆者曰く「いまブルース・リーが足りない」。どこに？　映画界に！　ブルース・リーは決して一種の記号ではなく、あくまでも史上最高の映画スターなのだ。伝説的な逸話に視界を濁らされることなく、徹底的に作品を見直し、作品本位の議論をしよう！江戸木氏の業界渡世風雲録的記述も楽しく、僕もドラゴン魂を注入された気分だ。今年はブルース・リー生誕70年。何かせねば！

<strong>・『映画の瞬き―映像編集という仕事』（ウォルター・マーチ著／吉田俊太郎訳）</strong>
オスカー受賞歴多数の著名な映画編集者による書の翻訳で、原書は改訂版。デジタル編集の章を大幅に加筆したそうだ。本書は映画編集の技術を解説したものではなく、どちらかといえば精神論のような、編集者としての考え方を記述することに重きを置いている。なので、テクニカルなことはあまり分からないけれど、どのような思考がテクニカルなことを操るかはよく分かる。また、役者がまばたきをする瞬間をカットの指標のひとつにするなど、驚異的な箇所が多数ある一方で、「編集で一番大事なのは感情の流れを維持することだ」には、思わず膝をたたく！ 
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         <link>http://blog.cinemacafe.net/showbiz/archives/yatabe/014272.php</link>
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         <pubDate>Mon, 09 Aug 2010 17:34:45 +0900</pubDate>
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         <title>公開告知（少し手前味噌）</title>
         <description><![CDATA[8月7日(土)、『<a href="http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/23063/" target="_blank">シルビアのいる街で</a>』が渋谷のイメージフォーラムで公開になります！

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://blog.cinemacafe.net/showbiz/assets_c/2010/08/B5omote-thumb-350x506-2422-thumb-200x289-2423.jpg"><img alt="B5omote.jpgのサムネール画像のサムネール画像" src="http://blog.cinemacafe.net/showbiz/assets_c/2010/08/B5omote-thumb-350x506-2422-thumb-200x289-2423-thumb-200x289-2426.jpg" width="200" height="289" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span>

この作品は08年の東京国際映画祭で上映して、キム・ギヨン特集やスコリモフスキ復活などと並んで、この年の映画祭で最も注目を浴びた作品の1本になりました。ビクトル・エリセ監督が蓮實重彦氏に本作を推薦する手紙を書き、その影響でシネフィル系の注目を一気に浴びるという僥倖に恵まれたことも忘れられません。

が、『シルビアのいる街で』を映画祭で上映するかどうか、実は僕は当時ものすごく悩みに悩んだのでした。というのも、猛烈に好きな作品であることは間違いなかったのですが、日本の観客に支持される余地があるのかどうか、ひょっとして個人的な趣味に走り過ぎて、ワールドシネマ部門を私物化していると批判されてしまうのではないか、と延々と悩んだものです。

要は、客観的でクールな批評眼に基づいて上映の必要性を吟味するのではなく、盲目的にこれは素晴らしい！　と叫んでしまった本作のようなケースは、逆に映画祭という公共の場に出してよいものかどうか、判断力がマヒしてしまうのです。自分が素晴らしいと思ったものが映画祭にとっても素晴らしいのだ、という自信（と権力？　）があればいいのでしょうけれど、まあなかなかそこまで図々しくはなれないわけで、常に優柔不断大魔王として悩みまくるわけです。

それだけに、上映が評判を呼び、そして日本公開が決まったというのは、本当に映画祭ディレクター冥利に尽きます。作品については、もう僕がここで繰り返す必要はないと思いますが、ともかく「これが映画だ」という映画が見たい方、現在最も世界で注目される映画作家の一人を見逃して人生を損したくない方に向けて、ここでは一言「必見」とだけ付け加えておきましょう。

そして、昨年の東京国際映画祭のコンペティションでグランプリを受賞した『イースタン・プレイ』が、『ソフィアの夜明け』という素敵な邦題のもと、10月に公開されることも決定しました!!  ああ、本当に嬉しい。そして、下記ビジュアル、いいですよねえ。この面（ツラ）に、このコピー。あまりの素晴らしさに、このチラシを見ているだけで浸れてしまうほどです。「おれの明日は、まだかよ、」ですよ。いやあ、胸がゾクゾクするほど、いいなあ。

<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://blog.cinemacafe.net/showbiz/assets_c/2010/08/EP_hagaki_4c_MIHONnew-thumb-350x508-2424.jpg"><img alt="EP_hagaki_4c_MIHONnew.jpgのサムネール画像" src="http://blog.cinemacafe.net/showbiz/assets_c/2010/08/EP_hagaki_4c_MIHONnew-thumb-350x508-2424-thumb-200x290-2425.jpg" width="200" height="290" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span>

ついでに記してしまうと、映画祭の時点で日本公開が決まっていない作品を紹介するワールドシネマ部門からは、映画祭での上映をきっかけにして、めでたく下記の作品の公開が決まっています。昨年見逃した方、もう1度見たい方（僕も絶対劇場に駆けつけたい）、お楽しみに！

・『<a href="http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/22948/" target="_blank">シングルマン</a>』（トム・フォード監督）2010年10月2日公開予定
・『<a href="http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/22877/" target="_blank">バーリア（原題）</a>』（ジュゼッペ・トルナトーレ監督）：2010年12月公開予定
・『エリックを探して』（ケン・ローチ監督）：2010年12月下旬公開予定
・『メアリーとマックス（原題）』（アダム・エリオット監督）：2011年春公開予定

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         <pubDate>Fri, 06 Aug 2010 21:36:48 +0900</pubDate>
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         <title>コケることとかモラルとか</title>
         <description>水曜日。今日は2度コケた。家の玄関でバランスを崩して1回、職場のフロアで滑って1回。特に後者は、松葉杖が完全にスリップして体が前にバタリと倒れるコケ方で、退院以来最悪のコケ…。退院してほぼ1ヶ月が経ち、もはや松葉杖は体の一部のようだけど、油断の時期かもしれないな。気を付けよう。コケてケガした箇所が少し痛い。いかんなあ。

昨日火曜日は、職場の全体会議、新任スタッフ関連会議、コンペティション部門作品の字幕制作過程においてお世話になる企業の方々との会議、所属セクションの定例会議、台湾から来日した映画関係者との会議が相次ぎ、夜は台湾の方々と会食。家に帰ったら、会議疲れとか時差ボケとか片足ストレスとか一気に押し寄せて、ノックダウン！　（あ、だから今日コケたのか？）

本日水曜日は、朝から病院に行ってリハビリ。相変わらず左足に全く体重がかけられないので、リハビリで出来ることも限られていて、正直言って同じメニューに飽きてきた。でも、飽きたところでしょうがない。骨がくっつくのを辛抱強く待つしかない…。でも、人って進歩がないと本当に焦るものだなあ。

焦るといえば、断然映画祭の準備。リハビリの時間があったら、DVDを見る時間を作りたいと思うようになってきてしまった…。でももうこの時期になると、あらゆる時間がDVD換算になっていくので、これはしょうがないですね。ここで昼ごはんに行くのを止めたら半分見られる、とか、今晩あのお誘いをお断りすれば3本見られる、とかね。

で、まだまだ無数のDVDが微笑みながら、カモンカモンと秋波を送ってくる。すぐに見てあげる（というのはエラそうでいけない）からちょっと待っていてね！　とつぶやきながら少しでも時間を作ってせっせと見るしかない。いかにテクノロジーが進歩しても、映画を効率よく見る見方はこの世に残念ながら存在せず（2時間の映画を見るには2時間かかるという、当たり前の原理）、とにかく見るしかない！

いや、iPadなどで通勤時に仕事のDVDを見ることができたら、それはテクノロジーが映画の効率よい鑑賞に貢献するということになるのかもしれない。でも、仮に、iPadで僕（持っていないけど）や映画祭の作品選定担当者が応募作品を通勤時に見ているとしたら、応募者はどんな気持ちがするだろうか？

やはり、最低限のモラルは維持していたいと思うけれど、さて、10年後にはどうなっているだろう？　（だって、いまはPCで作品を見ることは当たり前になっているけれど、10年前なら絶対に自分の作品をパソコンなんかで見てくれるなという製作者は存在したはずだから）。

というわけで、昨日仕事のDVDを一枚も見られなかったので、今日は夕方から気合を入れて4本連続鑑賞。気合を入れたからといって良い作品に出会えるわけではないのですけどね。

職場で集中していたら、おお、もう1時だ。帰ろう。</description>
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         <pubDate>Thu, 05 Aug 2010 00:49:51 +0900</pubDate>
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         <title>帰国報告＋映画本2冊</title>
         <description><![CDATA[ローマを土曜の夕方に出て、パリ乗り換えの深夜便。成田に日曜の18時に着いて、自宅着が20時半。無事に自宅についてホッとしたものの、やっぱり足のむくみがハンパではなくて、左足首はソフトボールが2個入っているくらいに膨らんでしまった。ちょっと気味が悪いくらい。だけど、まあその程度で済んでよかったというか、3泊5日の突貫ヨーロッパ出張が無事に終わってよかったよかった。

すぐに寝てしまうと変な時間に起きてしまうので、しばし読書。出張に持って行った2冊を引っ張り出して、それぞれ読了。一応記しておくと：

<strong>・「ユングのサウンドトラック 菊地成孔の映画と映画音楽の本」（菊地成孔著）</strong>

これは面白い！　著者の映画論にいままで何故か接する機会がなく、そんな自分を責めたくなる（いや、今回これだけ楽しめたのは初めてだったからだとすると、褒めてもいいのかも）くらい面白い。ゴダールを音楽面で語る人はいたかもしれないけれども、ゴダールと音楽家（作曲家）の付き合いの変遷から作品解釈をひも解く展開はとても新鮮でスリリング。

おおー、そうなのか、そうなのか、と目鱗落ちまくりの至福の映画本体験！　ゴダールファンは作品を見直したくなり、ゴダール知らない人も見てみたくなることは必至。個人的には、ゴダールの「軽蔑」とトリュフォーの「アメリカの夜」の音楽的な見地による宿命的な構図が分析される下りに、深い深い感動を禁じえなかった…。

<strong>・「大島渚と日本」（四方田犬彦著）</strong>

大島渚の「渚」という字は、本当は右のつくりの「者」の、「土」と「日」の間に「、（てん）」があるのが正しい。大島について書いていながら、「渚」にこの「てん」が入っていない書物があったら、それは信用しないほうがいい、と語っていたのは故佐藤真監督だった（残念ながら、WORDレベルではこの字は出てこない）。また、「敗者は映像を持たない」という大島の有名な言葉を誰よりも深く受け止め、ドキュメンタリーに対する視座を引き継いでいたのも佐藤真監督だった。

とまあ、僕は大島監督に触れると何故か佐藤さんを思い出してしまうのでした。今回も佐藤さんが大島監督について語っていた色々なことが蘇り、それらの点を本書が徹底的に広く深く掘り下げている感じがして、僕にはちょっと感動的な一冊になってしまいました。これはあまりにも個人的な読み方ですけどね。

でも、多少なりとも日本映画に興味がある人（あるいは、「日本」と「映画」に興味がある人）だったら、必読の書でしょう。いかに大島が戦後において特別な映画作家であったか、その独特性が「日本」といかなる距離感を取ることにおいて醸成されたのか。ミクロとマクロの両方の視点から、ここまで分かりやすく掘り下げた大島論を僕は読んだことがない。まさに、一気に読ませる大島論の決定版。

映画本を読んでいると、あの作品がもう一度見たい、この作品が未見なので見たい、のオンパレードで、仕事がヒマになったら絶対にDVDを大人買いして見てやろうと誓うのだけれども（今回もゴダールと大島とパゾリーニを徹底的に見直したくなる）、いざヒマになると忘れていたりするのですよね。映画には映画の、映画本には映画本の感動の仕方があるのだよな…、ってよく伝わらないかな。

というわけで、0時くらいに横になったはいいけど、そのまま寝たり起きたりを朝まで延々と繰り返して、月曜出勤。ふうー。なかなかラクではない。

ローマではあまり出なかった汗が、東京では家の階段を降りただけで滴り落ちてくる。ちなみに僕が住んでいる部屋は4階で、実はエレベーターがない…。なので、いままで書いていなかったけど、松葉杖生活をするにはかなり最悪の環境なのでした…。

でも、ここでめげてはいけない！　ギラギラ夏本番、そしていよいよ仕事大本番の8月、がんばろう！
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         <pubDate>Mon, 02 Aug 2010 22:09:29 +0900</pubDate>
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