連休中にDVDを見ながら一日中ヒザの伸縮を繰り返していた甲斐があったようで、水曜日に病院に行ったらリハビリの先生に褒められた!「ずいぶんヒザが曲がるようになりましたね。がんばりましたね」。褒められると嬉しい。
炎天下の松葉杖は楽ではないけれども、雨の日の不安定さや情けなさに比べたら大歓迎。でも、コケたらいけないと常に緊張しているからか、一日終わって無事に家にたどりつくと、結構ぐったりしてしまう…。
昨日水曜日は、20時に職場を切り上げて、車で渋谷へ。21時から、ユーロスペースで、河瀬直美監督新作『玄牝(げんぴん)』のマスコミ試写を鑑賞。21時からという試写の時間は珍しいけれど、これは行きやすくていいな。
で、久しぶりに完璧なドキュメンタリー映画を見た。主題の深さ、対象へのほどよい距離感、卓越した構成、テンポ良い編集、詩情溢れる16mmの美しい映像、綿密に練られた音。さらに、「撮れない(映せない)ものも含めてドキュメンタリーだ」という上映後に監督が発した言葉に代表される、ドキュメンタリー映画作りに対する姿勢。その全てが映画の教科書にしたいくらい素晴らしい。
けれども、特に「姿勢」の部分は、16mmフィルムという失われ行くメディアとともに、失われ行くものなのかもしれない。フィルムのドキュメンタリーを見続けてきた身としても、そして佐藤真監督『阿賀の記憶』(04年)で「最後の16mmドキュメンタリー」の1本の現場に携わった身としても、デジタル時代の真っ只中において16mmで撮られた『玄牝』が発する映画の匂いに心を揺さぶられないでいることは難しい。
でも、ひょっとしたら郷愁的とも呼ばれてしまうかもしれないそんな思いをかき消すに十分な、確実に普遍的な技術が『玄牝』には溢れており、若いドキュメンタリー作家の手本になることは間違いない。河瀬監督、いよいよ円熟の域。本作は間違いなく代表作の1本になるでしょう。うん、信じていて良かった。
上映後に、河瀬監督に声をかける機会があったのだけど、こういう時は何をどう言っていいか、分からないですね。お話した機会も数えるくらいしかないし。「本当に良かったです」と言ってみるものの、こちらは金髪松葉杖的フリークスだし、あまり説得力がないよな。
その後はユーロの前の居酒屋で、同僚2名+某新聞社のI氏と軽く飲み。もっとも、僕は車なので、ウーロン茶でガマン。蒸し暑い夜に、しかも良い映画を見た後に、そしてさらに回りがビールで乾杯している中でウーロン茶を飲むのは、超A級の拷問だ。真夏の試練は続く…。
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