実は、今日から僕はバンコクに来ています。
作家の吉田修一氏が新しく取り組む小説と映画のロケハンに、タイ語が出来る中島を伴って同行することになったのです。
お互いマイレージでの訪泰だったので、吉田氏はJAL、エールフランス派の僕はちょっと面倒で、インチョン経由のKAL。午後10時30分に到着ロビーで待ち合わせて、午後11時すぎにサービスアパートメント“Cape House Langsuan”にチェックイン。ビールを一杯煽りたいとという吉田氏の希望で、“Calderazzo Bistro”(Mayfair Marriott Apartments, 60 Soi Langsuan/TEL+66 2 263 9311)へ。
ここで小1時間ほど過ごして、もう一軒ということになり、Cape Houseのフロントのお兄さんにリコメンドを聞くも、通り一遍の答え。「シーロムに行けばそんなバーがいっばいありますよ」。でも、ほかにアイディアがないので、一路シーロムへ…。
このように子象が愛想芸で小銭をせびるのを横目に見ながら、落ちついたバーを探すも見つからず。
だって、ここはアジア最大の歓楽街、パッポン至近のGO GO BAR密集地。
20分程周囲を散策するも、耳をつんざくBGMが容赦なく僕たちを襲ってくる。
疲れ果てた僕たちは、ちょうど傍らに居たトゥクトゥクのあんちゃんに「少し高くていもいいから、煩くない落ちついたバーを知ってたら、連れて行ってくれない?」と相談。彼は悩みもせず「あぁ、いいよ。そのかわり50バーツ頂戴」ってな具合。あまりにも調子がいいなぁとも思ったけど、疲弊していた(少なくとも)僕は、「いいよいいよ、連れてってもらおうよ」と、彼の思惑に乗ってしまったのだ。
僕たちを乗せたトゥクトゥクは、この時期にしては珍しい“暖かくさわやかな”バンコクの夜を疾走して行く…。
10分程走っただろうか…。
着いた場所は、寂しい路地裏の雑居ビル。
このビルの2階に、彼のお薦めの店はあるという。
薄暗い階段を、彼の後を着いて行くと、またしても耳をつんざくような騒音。
「えっ!」
僕たちはなんと、禁断の園へと連れて行かれたのだった…。
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