お昼過ぎにベルリンに入り、ホテルでニューヨークの成田大四郎と合流。部屋にすぐにチェックインできず、小一時間ほどホテル内のレストランで打ち合わせをして、いざチェックインを済ませようとしたら、「特別なお客様には手前どものマネージャーがご挨拶を…」と云われ足止めされた。現れたのは上品な印象の50歳前後の女性。僕の為に用意された部屋はクラブラウンジフロアで、様々なオプションのサービスが用意されているという。そのひとつひとつをご案内いただけるというのだ。宿泊先のインターコンチネンタルは映画祭指定のホテルで5、6年は常宿にしているが、こんな手厚い接待を受けたのは初めての事。最初は人間違いではないかと疑ったが、紛れも無くこの“僕”らしい。僕は彼女の好意を興味半分で甘んじて受ける事にした。
先ず案内されたのは僕の部屋の階下にある、クラブラウンジ。ここでは常時フィンガーフードやアルコール、ソフトドリンクが多数用意され、いつでも飲み放題、食い放題。白を基調にした豪華な会議室も“あなたの為にご用意しました”、と彼女。その後25m×4のプール、最新マシンを導入したというジム、スパ、ベルリンの全景がパノラマで望める超高級レストランの最上席のリザーブなどなど。
しかしこの至れり尽くせりの対応には絶対裏があるに違いない。
素直じゃない僕は直感的にそう思ったのだが、後日、この予感は的中するのだった…。
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