シネマカフェ映画業界人ブログ

谷中の銭湯で(アピ)チャッポン!

2008年01月09日 by 沖田敦 (プロフィール)   RSS配信

apichatpong.JPG

トモ スズキさんからメールで嬉しい招待状を頂いた。

タイの映像作家、アピチャッポン・ウィーラセタクンの映像によるインスタレーションを、谷中にある“SCAI THE BATHHOUSE”で紹介していて、今夜はそのオープニングレセプションが開かれた。その招待状を頂いたのだ。これがアピチャッポンにとって日本で初の個展。

因にこのギャラリーは名前から察する通り、以前は銭湯だったそうだ。

2年前のヴェネチア映画祭のときのブログでも記したように、僕はアピチャッポンの“Syndromes and a Century”にゾッコン、惚れ込んでしまった。あの感動はいまでも忘れられない。ヴェネツィアのときにもパーティーで会っていたけれど、今夜はトモさんと通訳の高杉女史の計らいで、アピチャッポンご本人とゆっくりと語らう事が出来た。

apichatpong2.jpg

今回会場で流されていたのは、4つの映像によって構成された“Unknown Forces”。タイに行けば、よく見られるピックアップ・トラックの上で、何事かを喋り続ける男女を左右に、同じく荷台の上で激しく踊り続ける若者と、工事現場のような砂埃に浮かび上がる赤茶色のテントの映像を中央に据え、タイの政治的背景を踏まえながら、日雇い労務者の(風や砂埃の音で)届く事のない声が、無力さと不思議なバイタリティーを併せ持つアンビバレントな世界観の中、タイの現代を慎ましやかに浮かび上がらせている。それは素晴らしい映像体験だった。

ちょうど東京に戻って来ていたニューヨークの成田と一緒に、昂揚した感情を推し殺しながら、会場を後にした。

コメント投稿はこちらから


(スタイル用のHTMLタグが使えます)

[PICK UP!]おすすめ情報

Ads by Overture