ベルギーのアントワープへ行ってきました。パリ北駅から朝9時55分発のタリス“ THALYS”に乗って、2時間強、アントワープ・ベルヘム“Antwerpen-Berchem”という駅に到着。そこからタクシーで20分ほど走り、中心部ザウト地区へ。ドリス・ヴァン・ノッテンやアン・ドゥムメステール、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンクなどの路面店や“Louis”、“Verso”といったセレクトショッブを散策。
アントワープまでの赤い新幹線“タリス”は、フランス、オランダ、ベルギー、ドイツを結ぶ列車で、一等車両は至れり尽くせりのサービスが乗客に施される。乗車直後にドリンクサービスと簡単なミールサービスがあり、目的地到着まで間断なくドリンクのお代わりや、クラッカー、チョコレートなどのサービスが続く。地元ビジネスマンたちはこの車内で食事を済ませてしまうことができるだろうが、旅先での食事も愉しみのひとつである異邦人に取っては、ちょっと過度なサービスかも。
到着したアントワープ・ベルヘムという駅は、日本で言うと“新横浜”みたいな駅なのだろうか。中心街より少し外れた場所に位置する駅で、乗り換え客が中心か、駅前はかなり閑散としている。なぜかユダヤ人が多い。犬も歩けばなんやらじゃないが、町中黒ずくめの人たちが往来しているので、ちょっと異様な光景。
タクシーで20分ほど走ると、ルーベンスの名画で知られるノートルダム大聖堂、グルト・マルクト広場も近いザウト地区に着く。ここはアントワープが誇るデザイナー6人を輩出した、王立芸術アカデミーファッション科を含むモードナティーを中心とした、ファッションの中枢部。
先ず覗いたのが、ドリス・ヴァン・ノッテンの本店。日本や海外での同ブランドの展開を考えると、この店の佇まいは意外な印象だ。さながらエルメスやルイ・ヴィトンの本店を思わせる老舗の風格がある。さすが本店だけに、取り扱う洋服の点数も半端じゃなかった。日本では今はセレクトショップでしか取り扱われていないが、いづれの店もアイテム数が総体的に少ないので、ここは宝の山に見えるかもしれない。
その後、セレクトショップのルイ“Louis”に行ってみたが、ここは想像してたより小さい店で、商品構成もマルタン・マルジェラとアンナ・ヘイレン、そして今が旬のバレンシアガのみの展開。
次に向かったのが、ルイ“Louis”の後に台頭してきているというヴェルソ“Verso”というセレクトショップ。ここはルイ“Louis”に比べるとかなりの大型店。ただ地元アントワープのデザイナーのセレクションがほとんど無く、アン・ドゥムメステールとクリス・ヴァン・アッシュ、ダーク・ビッケンバーグがちょこちょこっと置かれていたくらい。主はドルガバやグッチ、イヴ・サン・ローラン、プラダなど面白味の無いセレクションだった。
このショップに併設されている“Verso Cafe”でランチ。日本のカフェめしっぽいワンプレートメニューが並び、僕はカレーソースにつけ麺的にチキンのロティを浸して食べるメニューをオーダーした。壁面から取り付けられた巨大なバッファロー(やくかも)の剥製がかなりのインパクトを与える内装がかっこいい。
アン・ドゥムメステールの路面店は、今まで挙げてきたショップからは少し離れた場所にあった。ここはドリスの店とは対極的な、ミニマリズムを感じさせる内装。白い壁と木の床が、無機質というよりは、むしろ有機的な空間を演出している。ドリスほどじゃないが、洋服の品数は、特にレディースは豊富だった。
再びザウト地区へ戻ってきた僕らは、街中をぶらぶら。今日のアントワープは天気が不安定で、雨がふったりやんだりの1日。まるで雨宿りするためにショップを巡っているような気がしてきた。6人衆以降に台頭してきたデザイナーたちの名前は、ヴェロニク・ブランキーノ、アナ・ヘイレン、シュテファン・シュナイダーが路面店を出していたくらいで、この近辺のショップではあまり見られなかった。奇抜な内装で話題だったウォルター・ヴァン・ベイレンドンクのショップにも行ってみたが、彼自身の洋服は隅に追いやられ、数人のデザイナーを中心としたセレクトショップに代わっていた。
午後8時、ハンガリー・ヘンダーソン“Hungary Henderson”というフュージョン料理の店で、ズッキーニとオニオンのペスト風味のスープ(塩味のさっぱり系で美味しかった)、牛肉のステーキを食べる。
午後9時半、アントワープ・ベルヘム駅からパリへ。復路の車中はぐったりと疲労して、ずっと眠っていました。アントワープの印象は期待値が高かった所為か、あまり刺激的なものではなかった。ただし建造物はバロック、ゴシック、アールヌーヴォーなど多種多様な様式が小さい地域に混在していて、独特の文化を育んできた街である事は確か。塔の尖端がドロップ型になっている教会が多く見られたけど、あれはどういう様式のものなのだろうか。もし次回訪れる機会があったら、その時は古い物にテーマを絞って市内を散策することにしよう。
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