ロードアイランドへ出張に行っていた成田国際部長から、9日に上映された『Water』の現地でのリアクションを聞く。映画祭全体で20本の短編作品が上映される中、『Water』は“日本”がキーワードとしてイメージされる6本の作品の中の一つとして、ワールドプレミアされたとのこと。エンドロールでは、100人程度いた観客から拍手が湧いたらしい。これは他の作品には無かったとのこと。極めて繊細な世界観を映像化している作品だけに、アメリカ人にどのように受け止められるのか心配だったけれど、彼の話しではかなり評価が高かったらしい。

午後1時、サラディーンのアンナズカフェ“Anna’s Cafe”へ。ここで僕たちは1年ぶりにアルバートと再会する事になった。アルバートは、WP配給『フェーンチャン ぼくの恋人』で主演の男の子ジアップを演じたチャーリーの実のお兄ちゃん。映画のキャンペーンで来日したチャーリーの保護者として同行して以来、こまめにメールで弟の新作映画の事、自分の周辺の出来事などを送ってきてくれている。つまり世に言うところのメル友ってやつですか。ちょっと遅れてやってきたアルバート、なんとかわいい日本人のガールフレンド田中さんを伴って、しかもヘアスタイルもTシャツも今風の男の子になっちゃって。彼が日本語を学んでいる事は知っていたけれど、まさかナンパの手段だったとは知らなかった。
チャーリーの最新作“The Doom”はボックスオフィス2週連続で1位を飾るほど大ヒットしたというのに、彼はタイの経済状態が悪いからチャーリーも苦労していると云うのだが、でもよくよく話しを聞くと、チャーリー絶好調のときに彼の両親が勢いで2軒の豪邸を購入し、一軒の賃貸物件を借りていたのに、弟へのオファーが減ったので家を売らなきゃならなくなったというのが実情らしい。子役で大成して、そのギャラを親が使い込んでって、その昔日本でも聞いた事あるような話。「それって、タイ経済と全然関係ないじゃん、両親の問題じゃん!」と僕が云うと、バート(アルバートのニックネーム)は理解しているのか居ないのか、一人盛り上がりでヘラヘラ大笑いしてやんの。まぁ、マイペンライなお兄ちゃんのこの性格だから、僕たちもシリアスにならずに笑って話を聞いていられるんだけど。で、因みにここアンナズカフェでは、僕はクイティアオナーム・アンナスタイルをオーダーしました。さっぱり味の汁麺。美味しかったです。バートと彼女の田中さんとはまた近々に会おうと固く約束して、お別れ。頑張ってね、バート兄ちゃん!

彼らと別れた後、今年の正月に行ったときはまだプレオープンだったバンコク最大のショッピングモール サイアム パラゴン“Siam Paragon”へ。この巨大な施設にはエルメスなどの高級ブティック、パラゴンのデパートメントストア、水族館、映画館など、1日では見切れないほどの施設がテナントとして入っている。で、僕たちは3階のハイパーカフェ“true”で一休み。ここも贅沢な敷地面積を3つのブロックで区切り、マガジンやCDなどのセレクトショップ、ギャラリーとイベントを兼ねたスペース、不揃いのファニチャーで絶妙なコンビネーションを見せるフードとドリンクのカフェスペースと、東京はおろか、他の先鋭都市でも滅多に見れないバンコクの最先端の美意識が確認できる。カフェスペースでは無線LANでインターネットが自由に楽しめるし、とにかく不思議なリラックス感が味わえる。僕も専務も結構気に入ってしまった。

その後、この巨大ショッピングモールを散策した後、午後7時半、ナナにあるヴェトナム料理 シュアンマイ“XUAN MAI”(32 Skhunvit Soi 13 TEL 66.02.251.8389)へ。実はこの店へ行くのは結構大変だった。ナナ駅を降りて賑やかな大通りを左折した人気の無い真っ暗なSoi 13を、500mも歩かなければならない。特に夜は女性1人では歩かせられない、寂しい裏通りだ。既に気後れしている専務の手を引いて、強引にこの通りを突き進んでいく。15分ほど歩いただろうか、一軒だけ灯っている黄色い看板が見えてきた。まさにここがシュアンマイ。飾り気の無い店内は20席ほどの本当に小さな店で、調理場もあまり広くない。でもキッチンもホールも女性だけ4人で切り盛りしていて、オーナーの女性も品があって気配りがすばらしい。適度にコミュニケーションしてくる彼女を見て、それまでの不安が一気に吹き飛ぶくらいだ。料理は美味しかった。揚げ春巻きは炒めたタマネギを入れるなどオリジナリティーもあって、皮もさくサクサクで歯触りがいい。ヴェトナム風お好み焼きバーンセオもさっぱりした味わい。ミントの葉と一緒に食べると、口の中が一気に軽くなる感じ。揚げ物は、時に重く感じられるけれど、ここの料理はすべてに於いて軽やかな印象だ。ぜひともまた立ち寄りたい店である。


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