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June 15, 2006
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またひとつ、泣ける青春ラブ・ストーリーが誕生した。太陽にあたることのできない難病XP(色素性乾皮症)と闘う、歌うことの大好きな少女の初恋を描いた『タイヨウのうた』だ。ヒロインに抜擢されたのは、昨年の月9ドラマ「不機嫌なジーン」の主題歌「Feel my soul」でデビューを飾ったシンガーソングライターのYUI。主人公・雨音薫を演じてみたいと思ったきっかけを次のように語ってくれた。
「映画に出演するなんて想像していなかったのでびっくりしました。ただ、『タイヨウのうた』は、ストリートミュージシャンの女の子が主人公で音楽が関わっている作品。私も福岡でストリートライブをしていたので、自分でも表現できることがあるのかもしれないと思ったんです」。
初演技、初映画で挑んだ薫役。演じるにあたって「戸惑うばかりだった」というYUIだが──。
「薫にとって病は生まれつき持っているもので生活の一部、個性だと捉えるようにしました。薫は自分の死を悟っていながらも、ちゃんと地に足をつけて生きている。普通に生活できるだけで幸せだと思っていたから『将来の夢はCDデビュー?』って聞かれたときに、初めて“将来”について考えるんです。それまでの彼女にとって将来というのは当たり前じゃなかったんですよね……」最初は手探りだった薫の心情も、撮影後半には「自分の主観で演じている感覚だった」と振り返る。
また、主題歌「Good-bye days」をはじめサントラもYUI自らが手掛けている。
「薫にとって音楽が生きがいであり、生きる支えであるということは自分とすごく似ているので、薫に共感できるものは多かったです。でも、アーティストYUIではなく薫の立場で歌ったり演奏したりしました。というのは、この映画に関わらなかったら『Good-bye days』は生まれてこなかったと思うから……。撮影に入る前に何度も台本を読んでいるうちにメロディーが生まれ、台本を読んで自分の中に浮かんだ景色や感じたことを音で表現しました。詞は撮影と同時進行で作っていったので、薫の気持ちがより強く入っていると思います。この曲は一言でいうと片想いの曲だけれど、家族とか友達のへの想いも込められているんです」。
音楽というキーワードが薫とYUIを引き寄せ生まれた「タイヨウのうた」。この切ないラブ・ストーリーは、家族、友達、恋人、大好きな人を誘って劇場で! 泣き必至なのでハンカチを忘れずに!
(text:Rie Shintani)

『タイヨウのうた』
監督:小泉徳宏
出演:YUI、塚本高史、麻木久仁子、岸谷五朗ほか
配給:松竹
劇場情報:6月17日より全国にて公開
©「タイヨウのうた」フィルムパートナー
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May 31, 2006
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2005年カンヌ国際映画祭コンペティション部門正式出品、第6回東京フィルメックスにてグランプリ受賞。そんな肩書きばかりが先行していた『バッシング』がいよいよ日本でも公開される。日本人人質事件をヒントにしながらも、完全なフィクションとして一人の女性の物語を作りあげた小林政広監督と主演の占部房子さんにお話をうかがった。
本作で4度目のカンヌ参加を果たした小林監督だが、そもそもはデビュー作である『CLOSING TIME』('96)の頃に戻り、エリック・ロメールのような映画を少人数であまり緊張せずに作りたかったと言う。「今までの映画づくりとは違うものをやりたいと思いました。いつも北海道を舞台に社会から疎外されているマイノリティの男の話を撮ってきましたが、今度は自分を投影しない作り方をしてみたかったんです」。
そんな監督が今回のヒロインに選んだのは『歩く、人』『フリック』にも出演している占部房子さん。一筋縄ではいかない難しいキャラクターだが、当初のヒロイン像は少し違ったようだ。「最初は実際の事件から離れられず、どうしても上っ面のイメージでしかヒロインを作れなかったんです。でもそれでは先に進めなくなってしまった。そこで昔TVドラマの脚本を書いていたときのことを思い出して、演じるのは占部さんだけど自分がそこに乗り移って書かなければならないと気づき、あのキャラクターができてきました」。
最初に脚本を読んだ占部さんは「有子というキャラクターがとても活き活きとしていたので嬉しかったです」と語る。映画はその有子が自分の居場所を奪われ、徐々に追いつめられていく様子をすぐそこにあるかのようなリアルさで描く。「内面がきつくなってくる感じはしました。自分自身のやりたいことができないつらさは映画が終わるにつれて大きくなってきましたね」。
海外の映画祭ではバッシングの現象自体が理解できない、という反応もあったそうだ。「他人と違うことをしてバッシングされるのは日本特有のものだろうと思っていましたが、程度の差はあれ弱い者をいじめるという裏社会的なことはどこの国でもあると考えていたんです。でもヨーロッパは個人主義が徹底しているから他人が何をやっていようとあまり関係ないみたいなんですね。日本の場合は個人主義が利己主義的な意味合いと混同されているのではないかと感じました。ただ、アジアの人たちはそれについてはあまり言わないんですよ。それはやっぱり日本と同じようなことがあるからではないかと思います」。
フランソワ・トリュフォーを敬愛し、映画ならではのアクション表現を使って観客を楽しませたいと言う小林監督。『バッシング』を撮り終え、今後は本当に作りたい映画を作っていきたいと語る。作りたい映画と観客を楽しませる映画は一致するのだろうか。「映画というのはお客さんを楽しませるのが目的なんですよ。楽しませるにも色々なやり方があるじゃないですか。喜ばせたり悲しくさせたり…。その中で、考えさせるというのも楽しみのひとつなんです」。
本作のラストは敢えて明確な結末を示しておらず、まさに観た人の考え方に委ねられていると言える。「あまり映ってないんですけど、最後の有子と母親のシーンでは家の中のものがほとんどないんです。というのは有子だけでなく母親もあの団地を去って行こうとしているんです」。
有子は果たしてどんな結論を下すのか。その答えは各々の中にある。最後に占部さんから、自身やヒロインと同世代の女性に向けてメッセージをいただいた。「口に出して言わないだけで、多分みんなが経験のあることだと思います。よく考えれば些細なことなのに、自分の中にためこむとすごく重大な事件になってしまう。そういう悩みを持っている人たちに“一歩外に出てみればたいしたことじゃないよ”と勇気をあげたいです」。
『バッシング』
監督:小林政広
出演:占部房子、田中隆三、香川照之、大塚寧々
配給:バイオタイド
劇場情報:6月3日より渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開
(C)2005 Monkey Town Productions
衣装協力:アニエスベー(占部房子さん)
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May 25, 2006
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2002年に公開され全米で大ヒットを遂げた、リュック・ベッソン脚本の『トランスポーター』。元特殊部隊員であるプロの運び屋フランク・マーティンを演じた、ジェイスン・ステイサムは一気に新世代のアクション・スターとなった。その続編である『トランスポーター2』の公開を前に来日したジェイスンに、今の気持ちを聞いてみた。
「『トランスポーター』は世界中で認められた、または世界中の人々が同じように楽しめる作品になった。年代や国籍、男女を問わず楽しめて、共感が持てるエンターテインメント作品だと思う。それに加えて、リュック・ベッソンというクリエイターの独特のスタイルが全面に出ている。“ベッソン印”といっても過言ではないような印がついていて、それが大きな魅力だと思う。ぼく自身もリュックの作品が大好きで、10本好きな映画を挙げるとしたらそのうち2作は彼の作品なんだよ。ぼくのキャリアから考えたら、ほんとに大きなステップになったと思う」。
::リュック・ベッソン作品でお気に入りの2本は『レオン』と、もう1本は『グランブルー』と『ニキータ』で決めかねているとか。当時飛び込みの選手だったジェイスンは、『グランブルー』のフリーダイブシーンに興奮し、友だちと何度も観たのだそう。
前作を振り返ってそう答えるジェイスン。『トランスポーター』は世界的に評価され、続編を作ることになったのだ。
「続編ができると聞いてすごく興奮したよ。『トランスポーター』はぼくが初めて主演した映画だったし、セカンドチャンスが与えられてとても嬉しかった。なんといっても、フランクという役を演じるのはとても楽しいんだ。彼は誰とも違う、すごく独特なキャラクターだと思う。常に何が正しいかをはっきりわかっていて、約束をしたら命をかけてそれを守る。最近の人たちは口ばかりで、言ったことを守らないことが多いでしょう? 彼は逆に、無口なんだけど守るべきものは守るし、優しさが行動からにじみ出ている。運転は上手いし、半端なく強い。自分がこうだったらいいなという憧れの要素を、彼はたくさん持っている。だから、人々は彼を好きだし、ぼくも演じてて楽しいんだ。ただ、彼を怒らせたら怖いから、扱い方は要注意だけどね(笑)」
『トランスポーター2』の醍醐味は、前作同様やはりフランク・マーティンのキャラクターに尽きる。「フランクという役柄については、よくリュック・ベッソンと話をします。何といっても、彼がクリエイトしたキャラクターだから。ぼくが演じやすいように、彼のバックグラウンドなどをかなり細かい部分まで話してくれるので、演技の助けにしているよ。具体的には? トップシークレット!」。フランクの魅力の2つは謎めいているところ。話してしまったら、その魅力が半減してしまうから答えられないとのこと。でも、もし今後もシリーズ化されたとしたら、そのへんも描かれていくかもしれない…と期待してしまう。
そんなフランクとの共通点は?「髪型が同じ(笑)。ある程度運転が上手いところかな。男だったら誰でもそう思いたいものだけどね。バックミラーにパトカーが映ると、すごいスピードで走れるよ。普段はアウディのRCXに乗ってるんだ(※フランクは本作で黒のアウディA8に乗っている)。世界でも最高スピードが出るんだ。早い車が好きだね。アストン・マーティンのDB5という60年代の車も好きだね。全部手作りなんだよ。あとは…ぼく自身も善悪の区別ははっきり持っているつもり。昔はかなりバッドボーイズだったから、悪いことはわかるんだ(笑)」
始終、笑いを交えて気さくに質問にこたえてくれたジェイスン。フランクという役柄とのギャップに少々驚きながらも、そんな「良い兄ちゃん」ぶりに惚れた。
(text:Naomi Funakawa)
『トランスポーター2』
監督:ルイ・レテリエ
出演:ジェイスン・ステイサム、アレッサンドロ・ガスマン、アンバー・ヴァレッタほか
配給」:アスミック・エース
劇場情報:6月3日より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にて公開
(c)2005Europacorp - TF1 Films Production All rights reserved
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