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February 28, 2006
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“刺青”をモチーフに、彫る側と彫られる側に立つ男女の力関係の逆転を描いた谷崎潤一郎の小説『刺青』。過去に増村保造や曾根中生により映画化されてきたこの原作が、今回新たに『乱歩地獄』で江戸川乱歩の「芋虫」を映像化した佐藤寿保監督によってよみがえった。本作で狂気にとりつかれた彫師・精像役の弓削智久さんにお話をうかがった。

弓削さんと言えば「仮面ライダー龍騎」の由良吾郎役のクールでニヒルなイメージが強いが、本作では刺青という芸術にとりつかれた彫師の役に挑戦している。特殊な設定のキャラクターだが、「ジャンル的には非常にやりやすかったです。僕自身にもはまり出すと家から一歩も出なかったり、暗い部分があるのでそこを膨らませていきました」と語る。役づくりにあたっては「まずはあまり健康的に見えないようにしました。密室にこもって太陽の光もあまり浴びていないだろうと思いましたし、撮影現場も地下3階で同じようなところだったのでちょうどよかったです。あとは途中から髭を伸ばしっぱなしにしたり…」。

si-sei03.jpg物語は相手役の吉井怜さんと二人きりの世界で繰り広げられる。以前に全身刺青の青年を演じたことがある弓削さんだが、今回は刺青を彫る側の役だ。「刺青の演技指導は、撮影の3時間ぐらい前に先生が来て、撮影が始まるまでずっと彫り続けてました。人間の肌に一番近いとされる枕を使って練習したんですけど、彫物師の先生にはかなり筋がいいと言われました。そんなに練習する役者は見たことがなかったそうで、まさに何かに取り憑かれているみたいだとも言われたんですが、ほめられたら気分もよくなって本番ではいい感じで演じられました」。

弓削さんの演じた“精像”は、感情を抑えているからこそ滲み出る禍々しさが際だっている。この静かな狂気は新しい解釈とも言える。「途中で感情を爆発させる芝居を何回かやったんですけど、感情を出さないほうがいいということは3回ぐらい言われました。だからもう怒る気力すらないほど絶望している男なんだなと意識して演じましたね。監督は調子が乗ってくるとバンダナを巻き出したりして、本当の“映画人”という感じでした。今まで会った監督の中でも一番気合いがある人で、役者はこうやって鍛えられていくんだろうなと。カットのかけ声でいいときと駄目なときがすぐわかるんですよ。駄目なときは小さい声の「…カット」なんだけど、「カット!」って言われると“今のよかったんだ!”ってわかるんです。どこがよかったのかは自分ではよくわからなかったりするんですけど(笑)」。

佐藤版の「刺青」は、谷崎ならでは耽美的な艶を残しつつも、サイバーなエッセンスの入ったかなり独特の映像に仕上がっている。「出来上がったものを観たときはびっくりしました、こんなふうに撮られてたんだと。現場でも、佐藤監督は画のイメージが明確にあるんだなと感じました。ただ、感情がないなりにももっと変化をつけられればよかったなとは思いました。あと、もう少し“二人”ということを意識して演じるべきだったという反省はありました」。

弓削さんにとって本作の撮影は「自分の演技プランと全く逆のものを提示してくれる監督との仕事」ということで勉強になったと言う。「今回は、自分がいいと思ったものが必ずしもいいものではないということがわかったんですよね。今までは自分がいいと思ったものがいいと思いこんでいたんですけど、そうではないんだと」。

si-sei04.jpg「自分の想像の中にある映像と本当に映っているものとの差がだんだん縮まっていけばいいなと思うんです。今はまだかなり差があって、自分で見てびっくりする芝居もあるし、駄目な芝居もある。今回も自分ではもっと感情の変化をつけて演じたつもりだったけど、他人にはあまり伝わらない芝居だったというのもあってすごく悔しかった。だから、それ(理想と現実)が完全に一致したときはどうなるのかすごく楽しみです」。

役者という仕事が年々魅力的になってくるという弓削さん。「人生を反映できる職業はそうあるものではないし、平凡な人生より波瀾万丈な人生を送ってる人のほうが絶対にいい芝居ができる。あと、レンタルビデオショップに行って自分の作品が並んでいるのを見るのは気分がいいです。最近ちょっと増えたんですよ、自分の出演作が。それが借りられていたりすると“あ、これを借りた人は俺の芝居を見ているはずだ”と思えるのが面白い。だから映画はやっぱり好きですね。演技の技術は大切だけれどそこにとらわれない役者になりたいなと…『刺青−SI-SEI−』を観ていて思いました(笑)」。

原作を読んで「これをどう映画化するんだろうと思った」という弓削さんは、この映画を谷崎ファンじゃない人に観て欲しいと言う。「(今までとは違う)新しいものを作ったという気持ちがあるので、新しいものを観たい人にはおすすめです。上映中の72分間は不思議なことの連続なので、一人で不思議な気持ちになりたい人はぜひ足を運んでもらいたいです」。佐藤監督に「俳優として一皮むけた」と言わしめた弓削さんの静の魅力は劇場の大スクリーンでこそ映えるに違いない。

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February 23, 2006
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「お母さんは、奇跡でも起きない限り目覚めない」−−。昏睡状態で入院中の母を救うために、少年ラルフは医者の言葉を信じて、自ら奇跡を起こすことを決断する。その“奇跡”とは、14歳の彼がかの有名なボストンマラソンで優勝すること。誰も相手にしないようなこの無謀な目標に向かって、ラルフはひたむきに走り続ける。奇跡を信じて…。

『リトル・ランナー』の主人公、ラルフを演じるのは、本作が初の主演映画となるアダム・ブッチャー。500人もの中からこの役を勝ち取った彼について、監督のマイケル・マッゴーワンは「ラルフ役にはもう彼しかいない、と思った」と太鼓判を押す。

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::「僕とマイクは撮影の前にごはんを食べに行ったんだけど、なんとなく意気投合した。彼とはまるで同年代の友達のような感覚で、一緒に仕事をするのはとても楽しかった」と2人の信頼関係をアダムは語る。

runner3.jpg::運動神経ばつぐんのアダム。「スポーツは昔から得意で、父と走りに行くこともあったし、学校でもいちばん足が早かった」という。ランニングシーンのためにも特にトレーニングはしなかったそうだ。


脚本も手がけたマッゴーワン監督はなんと、1985年のデトロイトマラソン勝者でもある。「もともと陸上をテーマにした映画をつくりたいと思っていた。『炎のランナー』は有名だけど、このテーマの作品は少ない」と話す監督、もちろん彼自身のマラソン経験も映画に多いに活かされている。「走るシーンをなるべくリアルに描くことを心がけていた。いちばん難しかったのは、どれくらいの割合で走るシーンを入れるかの判断。撮影は25日間ありましたが、すべてをマラソンに費やすわけにはいかなかったので」。

しかし、この見せ場となるマラソンシーンの撮影時は台風直撃という災難に襲われてしまった。「予定していなかった台風が来てしまい、すごく撮影は大変だった。みんなが暑いジャケットをはおっている中、僕ひとりタンクトップだったし、寒くて大変だった。ただ、ストーリーの中でも練習でへとへとになっているという設定だったので、よりリアルに演じることができたと思う」とアダムはふりかえる。

runner4.jpg::奇跡を信じているか?という質問に対して、「この映画が世界中を回り、いま僕たちが日本でこうやって話をしていること自体がまさに奇跡だと思う」と2人は口をそろえた。ちなみに監督は2回目、アダムは初来日。「いろいろな形の建てものがあっておもしろい」とアダムはいう。

runner5.jpg::撮影時からは18センチ背が伸び、20キロ近く体重も増えたというアダム。あこがれの俳優は「アンソニー・ホプキンス」、今後は「コメディもホラーも、いろいろな役に挑戦していきたい」という。端整な顔立ちと演技力を兼ね備えた彼の今後の活躍が楽しみだ。

ラルフは奇跡を起こすことはできるのか? 彼の想いは届くのか? その行方はぜひスクリーンで確かめてほしい。

『リトル・ランナー』
監督:マイケル・マッゴーワン
出演:アダム・ブッチャー、キャンベル・スコットほか
配給:ギャガ・コミュニケーションズ Gシネマグループ
劇場情報:3月4日よりBunkamuraル・シネマにて公開

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目と耳が不自由なキタキツネと少年の絆を描いた感動作『子ぎつねヘレン』。3月18日の公開に先がけて、スピンオフムービーのDVDが発売される。スピンオフムービーとは、映画のメインストーリーとは別のエピソードとしてつくられる映画作品のこと。『子ぎつねヘレンとゆかいな仲間たち』は、西川きよし・ヘレン、ほっしゃん。、キングコングなど吉本興業のスター芸人たちが集結し、動物をめぐる楽しいショート・ムービー集となっている。2月25日の発売よりさらに先がけて特別先行上映会が行われ、スピンオフキャストの南海キャンディーズ、森三中に加え、本編(『子ぎつねヘレン』)にも出演している深澤嵐と小林涼子、スペシャルシークレットゲストとして大沢たかおも来場し、集まった観客を喜ばせた。

5作のショート・ムービーのうち、「バー・きたきつね」に出演している南海キャンディーズのトークはもっぱらしずちゃんの女優デビュー話に。相方である山ちゃんの芝居について聞かれたしずちゃんが「正直ひどかったです」と言うと山ちゃんも「否定はしません」と意外にも謙虚な答え!? 相変わらず気だるげなトーン全開のしずちゃんだったが、この日ばかりはそれすらも「桃井かおりさんみたい」(山ちゃん)とあくまで女優扱い。

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続いて今回は主題歌で歌手デビューも果たしたしずちゃんのレコーディング映像を会場の全員で鑑賞タイム。「山崎ハコさんみたい!」と言う司会者の感想に自ら「うつろな目がいいですよねー…」と答えるしずちゃん。山ちゃんは「こんなに高い声が出るとは…」と少々驚いた様子だった。

しずちゃんとは合コン仲間だという森三中は「母のエピソード」に出演。劇中で3人そろって水着姿を披露している。この日来られなかった村上知子は水着姿のパネルで登場。山ちゃんの「直視できない!」とのコメントに大島と黒澤は「本人は知らないでしょうね…」とつぶやいた。

helen3.jpgそして本編・スピンオフの両方に出演している深澤嵐と小林涼子もかけつけ、さらに本編に出演の大沢たかおが登場するというスペシャルサプライズが! 突然の大沢の出現に思わず抱きつくしずちゃん。一方の大沢は笑顔で包容を受けながらも「とっても優しくて素敵な映画です」と『子ぎつねヘレン』本編をしっかりアピールし、この日の締めくくりを鮮やかにさらった。

本編のおまけではなく、独立した外伝として作られた新しい発想のスピンオフムービー。お宝映像満載のメイキングや、タナダユキ(『タカダワタル的』)をはじめCMやPVで活躍する若手の実力派が監督をつとめているのも注目のひとつ。ぜひ本編とあわせてお楽しみ下さい!

『子ぎつねヘレンとゆかいな仲間たち』
監督:北岡英久、タナダユキ、河井英夫
出演:南海キャンディーズ、西川きよし・ヘレン、森山中、ほっしゃん。、キングコングほか
発売・販売元:松竹(株)ビデオ事業室
発売日:2月25日(土)
(C)2006 松竹

『子ぎつねヘレン』
監督:河野圭太
出演:大沢たかお、松雪泰子、深澤嵐、小林涼子、田波涼子、阿部サダヲほか
配給:松竹
劇場情報:3月18日より丸の内ピカデリー2ほか全国にて公開

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