短編クレイ・アニメーションでアカデミー賞に3度輝くニック・パーク監督。待望の長編第1作『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!』が第18回東京国際映画祭の特別招待作品として上映された。映画祭の開催にあわせて“ウォレスとグルミット”の産みの親であるパーク監督が来日。記者会見では、クレイ・アニメーションの魅力をたっぷりと語った。
CGアニメーション技術が主流となりつつある中、パーク監督はクレイ・アニメーションにこだわり続けている。「粘土が私のストーリーテリングの手法に最も適切な素材だと思っているんです。粘土が醸し出す雰囲気も自分に合っているな、という実感があります。例えば、グルミットのおでこの粘土をほんの少し動かすだけでどんどん表情が変わるんです。アニメーターが実際にさわって動かして演技をしている、彼らの魂が粘土に込められていることが最大の魅力でもあります。CGでグルミットを作っていたら今のグルミットにはなっていないでしょう。誕生しなかったと言っても過言ではありません」。
本作はおなじみウォレスとグルミットが、野菜コンテストの大事な野菜が食べられてしまう“畑荒らし事件”を解決する…というストーリー。「5年前にスティーブ・ボックス(監督・脚本)とアイデアを出し合っているときに、ウサギがウォレスとグルミットの畑から野菜を盗み出すというのは面白いんじゃないかって話をしていたんです。そして、新しいジャンルに挑戦したくて…、狼男ならぬウサギ男を登場させるような、ベジタリアン・ホラー・ムービーを作ったら面白いと思いました」。
また毎回登場するユニークな発明品については「子供の頃、私は発明家になりたかったんです。大好きなSF小説からインスパイアされるものもあります」と明かした。
1人のアニメーターが1週間で作れる映像がたったの5秒程度のため、撮影にはなんと18ヶ月もかかったという本作。それでも「素朴さ、手作り感がクレイ・アニメの良さであり、それがユニークさにも繋がると思うんです」と最後までクレイ・アニメーションについて熱く語るニック・パーク監督。目を見張るばかりのディテール、愛らしいキャラクターたち…今回の長編公開で、ウォレスとグルミットのファンがますます増えることは間違いないだろう。
::スーパーバイジンングアニメーターのロイド・プライスが、撮影プロセスを紹介。登場人物の多いシーンは、2分間のシーンために、6ヶ月も費やすこともあったという。細かいプロセスはまさに「ハードな肉体労働」だ。
| 『ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ』 監督:ニック・パーク、スティーヴ・ボックス
声の出演:ピーター・サリス、レイフ・ファインズ
配給:アスミック・エース エンタテインメント
TM&?2005 Aardman Animation Ltd. ?2005 Dream Works Animation LLC and DreamWorks LLC |