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February 25, 2005

ki-duk1.jpg「援助交際」という行為を通して、罪とともに生きる人間の純粋さと狂気を見つめた『サマリア』。10代の少女を主人公にした本作で2004年のベルリン映画祭銀熊(監督)賞に輝いた韓国の異才・キム・ギドク監督が来日し、日本での公開を前に自作への思いを語った。

『魚と寝る女』『悪い男』などで常に世の中にショッキングな影響を与えてきたキム・ギドク監督だが、『サマリア』ではクァク・チミンとハン・ヨルムという若く美しい2人の女優がその世界観を担っている。彼女たちとの出会いについて監督は「2人とも無名の新人だったがとても頭がよく、一緒に仕事ができて嬉しい」とコメントを寄せた。ちなみにチェヨン役のハン・ヨルムはキム・ギドク監督の最新作『弓』でも主演をつとめている。

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::1月に来日したクァク・チミン(右)とハン・ヨルム(左)

演技についてはすべて役者にまかせているそうだが、シナリオに書かれていない登場人物の人生についてはよく話し合うという。「俳優たちには“登場人物をまねるのではなく、その役自身として生きて欲しい”と必ず言います。しかしつい最近もある韓国の女優が俳優としての人生を悩み、自らの命を絶ってしまうという悲しい事件があり、役を生きることによって俳優は魂に傷をたくさん受けているのだなあと改めて思いました」と、22日に亡くなった女優イ・ウンジュ(『ブラザーフッド』)の死を悼んだ。

『サマリア』が作られるきっかけになった「援助交際」は韓国でも問題になっているが、あまり報道はされないという。この映画ではその存在を世間に知らしめると同時に「加害者と被害者の関係からではなく、人と人との問題としてこの事件を描けないかと思いました」という監督自身の立場も示している。

ki-duk5.jpg2004年だけでも『サマリア』でベルリン映画祭銀熊(監督)賞、『3-Iron(空き家)』でヴェネチア映画祭監督賞を受賞し、いま最も三大映画祭(カンヌ・ヴェネチア・ベルリン)制覇に近い監督として世界の注目を集めるキム・ギドク監督だが、その実感はないと言う。「自分は映画祭に行って賞を獲る人ではなく、映画を
作る人であると考えています。私が映画を作ることと、私の作った映画がたどる運命は別のものです。受賞を望む人がいる反面、獲らないようにと望んでいる人も多いのではないでしょうか」。

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::身ぶり手ぶりも交えて熱心に語るキム・ギドク監督

キム・ギドク映画の代名詞とも言える“痛み”の世界観に“癒し”の割合が増えているのでは、との指摘に対しては「映画を作り始めた頃は世の中に対するコンプレックスや憤怒が爆発していて加虐と自虐の反復でした。しかし『コースト・ガード』('02)以降は社会に対する自分の見方が変わってきて、世の中をもっと美しく見ようとするようになりました」と、自身の変化を認める発言をした。

「私の映画は【クローズアップ】【フルショット】【ロングショット】の3タイプに分けられますが、『サマリア』は人間の全体をみる【フルショット】の部類に入ります。それぞれの異なった視点でとらえたイメージをふまえて観てもらうと、私の映画をより正確に理解し、魅力を味わっていただけると思います」と締めくくった言葉からは、自作に対する愛情と世界に認められつつある映画監督としての勢いもうかがえた。

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::今回の会見では笑顔も多く見られた

劇中音楽にエリック・サティの「ジムノペディ」を用いた理由について「著作権が発生しないから(笑)」と答えるなどユーモアも垣間見られ、以前とは別人のように明るい表情が印象的だったキム・ギドク監督。この続きはぜひ劇場で確かめて欲しい。

『サマリア』
samaria_info.jpg監督:キム・ギドク
出演:クァク・チミン、ハン・ヨルム(ソ・ミンジョン改め)ほか
配給:東芝エンタテインメント
劇場情報:3月26日より恵比寿ガーデンシネマほか全国にて順次公開

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February 17, 2005

『プリティ・ウーマン』『プリティ・ブライド』『25年目のキス』――数々のヒット作を世に送り出してきたゲーリー・マーシャル監督。最新作『プリティ・プリンセス2 ロイヤル・ウェディング』『プリティ・プリンセス』で普通の高校生から突然プリンセスになったミアのその後を描いたキュートな物語。マーシャル監督といえば、世界中の女性たちに愛されてきたロマンチック・コメディの巨匠。輝かしい経歴とは裏腹に人のいい“おじいさま”という言葉がびったりな監督、彼がつくるラブストーリーの原点、そしてハッピーエンドへのこだわりを語ってもらった。

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Q.『プリティ・プリンセス』に続いての出演となったアン・ハサウェイ、ジュリー・アンドリュースの起用はいかがでしたか?

アン・ハサウェイはまさに女優として成長中という感じで、アメリカではすでに人気高い。いい女優になると思うよ。ジュリー・アンドリュースはご存知大女優だが、喉を痛めてから復活の道のりは容易なものではなかった。だからこそ、本作で彼女が歌うシーンは、撮影中最も印象深いシーンだよ。

このシーンはもちろんオリジナルの伽本にはなく、彼女のために付け加えられた。最初はやはり歌うことには躊躇していたが、レイヴン(プリンセス・アサナ役)とのデュエットという条件でokしてもらったよ。

Q. 日本では『プリティ・ウーマン』が監督の代表作として知られていますが、このことについてはいかがですか?

僕は14作監督してきて、どれも大好きだけどもちろん全てが大ヒットというわけではない。『Rainsing Helen』(日本未公開)は好きな作品だけどあまりヒットしなかったし、実は最も作品『カーラの結婚宣言』は全くヒットしなかった(笑)。ひとつ確実に言えるのは『プリティ・ウーマン』のおかげで、より多くの作品を手掛ける機会を与えられた、ということかな。

Q. どの作品も“ハッピーエンド”ということが共通していますが、こだわりはあるのでしょうか?

僕は昔からシンデレラのおはなしが大好きなんだ。ポジティブな物語が好き。これだけ世の中で悲しい出来事があふれているからこそ、もっと多くのハッピーな映画が必要だと思う。僕の使命だと感じているよ。

男性監督の多くはラブ・ストーリーは嫌いのようだが、僕は大好き。しかも2人の娘、2人の妹(1人は『プリティ・リーグ』等、有名女性監督のペニー・マーシャル)に囲まれてきたから自然と女性の感情に対してなじみがあったのかもしれないね。(「しかもイタリア系のさそり座だから、根っからの女好きは仕方ないさ」とも!)

Q. 映画の中のように、誰にでもハッピー・エンドを手に入れる可能性はあると思いますか?

もちろん現実ではそんな容易なことではないが、不可能ではないと思う。妹は60歳になって初めて運命の人に出逢い、恋に落ちた。ただし、運命の人を信じて待つだけではだめで、自分の視野、心をオープンにしないとだめだよ。

Q. 今後のお仕事について教えてください。

今年はいままでチャレンジしたことがない分野であるオペラの監督を務める。ロサンジェルスのオペラ界を牛耳っている巨匠プラシド・ドミンゴの新たな試みで、映画監督がコメディのオペラを監督するという企画が進行中。

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::(左)同日行われた来日記者会見にはクラリス女王役のジュリー・アンドリュースも出席。変わらない美しさを放っていた彼女ですが、本続編では女王の恋も明らかに…!? ちなみに若さの秘訣は「常に新しい刺激を受けることかしら? そういう意味では女優という職業は毎日新鮮な発見ばかり」と。
(右)会場に飾られていたプリンセス衣装。映画に登場するプリンセス・ミアのウォーキング・クローゼットは圧巻!

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::まるで夫婦のように仲のいいふたり。実際、ジュリーは「マーシャル監督が演出する作品はどれも楽しい。最初の作品もあこがれのマーシャル監督と仕事を出来るということですぐに引き受けたし、本作で一緒にまた仕事が出来ることはとても嬉しかった」と絶賛。最も印象的なシーンは?と聞かれると迷いもなく「マットレス・サーフィンのシーン!」と返答。「最初監督から話があった時は気が狂ったのか、とも思ったけど本当に楽しかった」と振り返っていた。CGではなく、本当に彼女が“サーフィン”しているので、ぜひ注目してください。

::2人でこんなキュートなポーズも!

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princess7.jpg::花束贈呈には舞台「サウンド・オブ・ミュージック」の日本公演でマリアを演じたジェニファー・セムリックが登場。「ジュリー・アンドリュースの隣に並ぶのは夢みたいだ」と感激を表していた。映画でジュリーが歌うシーンはファンならずとも必見。

監督、ジュリーが口をそろえていた通りに「子どもから大人、お年寄りの方誰でも楽しめる」作品。ある日突然自分がプリンセスになる、という話は夢のまた夢だけど、たまにはこのようなおとぎばなしに胸ときめきたいもの。きっと1日でいいからプリンセスになってみたい、と思わずにはいられないはず!?

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February 09, 2005

『スパイダーマン』シリーズのサム・ライミ監督をして「こんなに怖い映画は観たことがない!」と言わしめた『THE JUON/呪怨』。日本人監督初の全米No.1という快挙を成し遂げた本作の日本での公開に合わせて主演のサラ・ミシェル・ゲラーが来日し、清水崇監督・一瀬隆重プロデューサーとともにスリーショット会見を行った。

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オリジナル版で奥菜恵や酒井法子が演じてきたヒロインに抜擢されたのは『スクービー・ドゥ』などのサラ・ミシェル・ゲラーだ。アイドル的なキャラクターでお馴染みのサラだが、本作では異国の地で恐怖に巻き込まれる女子大生役に挑戦し、演技の幅を広げた。女性はヒーローの添えもの的な役柄であることの多いハリウッドにおいて、ホラー映画は女優が主役をはれる貴重なフィールドでもある。「日本での撮影は戸惑うこともあったけど、その心細さや不安が役柄に反映されて主人公の恐怖を表現するのに役立ったと思う。でも、17人もの日本人男性の前でシャワーを浴びなければならなかったシーンが一番こわかったわね(笑)」。

juon_2.jpg::ヒロインを演じたサラ・ミシェル・ゲラー

既にビデオ版、劇場版を含めた『呪怨』シリーズで定評のあった清水監督だが、今回は完全にアメリカをターゲットとして、言葉も文化も違う人々の反応を奪うことを意識したという。「サム(・ライミ)以外のプロデューサーからはハリウッド的なわかりやすさを求められ、そのせめぎ合いが大変だった」との告白に、隣のサラは「私はハリウッドでの経験が長いのでプロデューサーの権限についてもよく理解しています。でも今回はサムが清水監督を全面的に信頼していた。これはとてもすごいことだと思います」と賛辞を送った。

そのプロデューサーの1人に日本人として名を連ねた一瀬プロデューサーは「日本に来たことのないアメリカ人がこの映画を観て、怖くて日本に来られなくなるような映画にしたいと思っていたのでそれが成功しました」と語った。

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::(左)ヴェネチア映画祭では松尾スズキ氏に間違えられたという清水監督 (右)ホラー映画のヒットメーカーである一瀬隆重プロデューサー

全米No.1の実感については「驚きのほうが大きくて実感がないが、日本的な怖さを表現する試みがアメリカでも受けいれてもらえたことが数字ではっきりと出たので嬉しい。恐怖描写に関しては皆が僕を信頼して任せてくれたので、ネイティブが感じる恐怖についてはサラやアメリカ人スタッフにも相談し、ドライでロジカルなアメリカ的な要素と日本的な曖昧でぼんやりしたものをバランスよく融合させて恐怖をつくり出しました」と喜びを述べた。それに対してサラも「日本のホラー映画はとても怖い。特に、自分の知らないものや親しみのないものは恐怖の対象になると思います」とコメントした。

日本で公開されるのは、アメリカではあまりの怖さにカットされたというシーンを加えたディレクターズ・カット版になる。清水監督がこだわったメイド・イン・ジャパンの恐怖をぜひ肌で感じて欲しい。

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::(左)場内の拍手に手を合わせる清水監督 (右)ヒョウ柄のシフォンワンピースが涼しげなサラ
『THE JUON/呪怨』
監督:清水崇
出演:サラ・ミシェル・ゲラーほか
配給:日本ヘラルド、クロックワークス
劇場情報:2月11日(祝)より渋谷東急ほか全国松竹・東急系にて公開
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