今年の冬、アカデミー賞コンビのトム・ハンクスとロバートゼメキス監督(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『フォレスト・ガンプ/一期一会』)が再びタッグを組み、不朽のクリスマス物語「THE POLAR EXPRESS」(「急行北極号」)がフクリーンに登場する。「POLAR EXPRESS」は世界中のクリスマスの定番として広く親しまれている絵本。こころあたたまるシンプルなストーリーと幻想的な挿絵がとても印象的な一冊である。映画『ポーラー・エクスプレス』は、最新技術を駆使し、絵本の中から飛び出したようなファンタジックな世界をスクリーンでみごとに再現している。映画のプロモーションのために来日したゼミキス監督と製作のフィリップ・スターキーの会見では、いまだ映画が完成していない中、その挑戦が初めて公開された。
まずゼメキス監督は世界初公開について、「日本は新しい技術に対して大変関心が高いことから、米国に先駆けて今回は未完成映像をご覧いただきたいと思います」と挨拶した。そしていちばん早い観客となった我々は、続いたオープニングとメイキングシーンのプレゼンテーションを静かに見守った。
本作で使われているのは「パフォーマンス・キャプチャー」と呼ばれ、役者の体中にセンサーをつけることによって、演技をCGに取り込むことを可能にした革新的な技術である。「いままでのアニメーションと決定的にちがうのは、素晴らしい役者の演技、動きや表情の細部までがリアルに再現できるところだ。“動く油絵”を実現するためにこの技術の開発は不可欠だった」と監督は語った。映像を観て驚いたのは、そのリアルさだけではなく、主役のトム・ハンクスが5つものキャラクターを演じていること。アニメーションだからこそ、それぞれの演技をすべて別のキャラクターとして映像化出来るのである。
セットもない中で様々なキャラクターをひとりで演じる難しさは想像を絶したが、トム・ハンクス自身はむしろ、舞台に立って演技をしてるような感覚で、自由に演技ができたと、とこの撮影方法を楽しんでいたそうだ。
このアニメーション方法については、監督の思いだけではなく、原作者のクリス・ヴァン・オールバーグも条件として提示していたそうだ。そもそも映画をつくるきっかけは「トム・ハンクスが10年も前に子どもに読み聞かせるために買った絵本」と明かした。そのストーリーと絵に魅せられたトムは何年も企画をあたため、ようやくトムから原作者にアプローチした。「トム・ハンクスの才能には完全な信頼がありすぐに快諾してくれたが、ひとつだけ条件として、伝統的なアニメーションは使わないでほしいと言われた」という。
最後に日本の子どもたちへのメッセージを、と聞かれた監督は"Believe in the magic"と本作の核をひとことで表す言葉を残し、会見は終了した。
今年の冬は宮崎アニメ『ハウルの動く城』、ディズニー×ピクサー・シリーズ最新作『Mr.インクレディブル』、と話題のファンタジー・アニメが同時期に公開となる。知名度的には上記2作よりもやや遅れをとっている感はあるが、映像は想像をはるかに超えるもので、ファンタジー作品としては一級品。1年で最もロマンチックなシーズン、こころあたたまるクリスマス・ストーリーで大切人との時間を過ごしてみてはいかが。
::音楽ファンにおまけ情報。季節感あふれるオリジナル・スコアも注目されているが、その中の1曲「Rockin' Around the World」を歌うエアドルミスのスティーブン・タイラーがなんと小人役でゲスト出演しているそう。彼を探してみるのもひとつの楽しみ方かもしれない。
『ポーラー・エクスプレス』
監督:ロバート・ゼメキス
出演:トム・ハンクス
配給:ワーナー・ブラザーズ
劇場情報:丸の内ルーブルほか全国松竹・東急系に公開
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