[cinemacafe.net BACKNUMBER] バックナンバー




January 30, 2005
2回目の上映!そして井上靖雄から衝撃の発言が!?…

今日の夜は11時から2回目の上映。場所も前回のバカでかいホールから、市内にあるマニアックな映画館に移動。なんとなくこの映画はこういう雰囲気のほうが似合うよなぁ〜と思いつつ、まずは監督の挨拶から。

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::2回目の上映会場。怪しげな雰囲気がサイコーです!!

(井上)この映画はイジメというのがテーマになっています。イジメは日本では社会問題になっていて、それを苦に自殺してしまう子供もいるほどです。映画の中にはバイオレンスな表現も出てきますが、そこだけでなく、違う部分も感じてもらえるとうれしいです。

前回とはうって変わった監督のシリアスな挨拶で始まった今日の上映は、客数も200席ぐらいなので、観客が一体となってこの映画を感じてる様子が手に取るように伝わってくる。前回と同じように笑うべきポイントはしっかりとおさえつつ、ようやくこの映画をちゃんと理解しようとしてる感じがした。やっぱり、監督の挨拶が利いたみたい。前回は煽りまくったから、客が別の物を期待しちゃったんだと改めて反省。で、僕が今日の上映で特に面白かったのは、劇団ひとりのシーンで皆が爆笑してたこと! 日本のお笑いは海を越えても通用しますよ、マジで!! 映画とか音楽だけでなく、日本のお笑いもぜひ海外に進出してほしいものですね。

…という訳で、前回以上(?)の熱狂的な拍手とともに今日の上映も終了!今日は前回よりも観客の反応が良かったのは確かだ。

以下Q&Aより。

(質問)この映画は同じく漫画を原作にしている三池監督の作品(たぶん『殺し屋1』のことを言っている)や他の作品とテイストが違うような気がしますが?
(井上)あえて漫画的な表現は一切使わないようにしました。漫画と映画は全く別物なので、よりリアルに見えるようにこだわりました、だから他の作品とは違って見えると思います。

(質問)初監督の作品を漫画の原作にしたのはなぜですか?
(井上)この原作は、他の漫画と違い、身近な恐怖を描いたリアルな題材だったので、面白い映画になると思いチャレンジしてみました。

(質問)漫画の原作を映画にする難しさはありますか?
(井上)基本的に紙の表現と動画は全く別物なので、より映像的なアプローチを心がけました。最近は漫画を原作にした映画が多いのですが、ほとんどが原作と違うものになってしまい、原作のファンががっかりするようなものばかりなので、原作のファンが見ても「面白い」と言ってもらえるものを作りたかった。

(質問)キャスティングについて
(井上)ほとんど見た目で決めました。中村獅童の顔は怖かったでしょう?[爆笑] 三池さんは映画で人を殺しまくっているので、僕がこの映画で殺してやりました。
[ふたたび場内爆笑!!!]

(女性の質問で)私はこの映画にハマってしまい、今日で観るのが2回目なんですが、(笑)この映画はメキシコで上映したら大ヒットすると思います。
(井上)(たじたじと)あ、ありがとうございます…

…いう訳で、なぜこの映画がメキシコで大ヒットするのか、その女性に確かめることも出来ずに(笑)本日の上映も終了! 今日の反応はすごく良かったんじゃない、ね、井上監督!!

(井上)「千葉さん、俺、この映画もっとカットしたいんですけど。何なら自腹で。」
え〜っ! 何を言い出すのかと思ったらそんなことを!! いったいどういうつもり????

…海外の映画祭だと、観客の反応がストレートに伝わってくるから、監督にとっては一緒に映画を観るという行為は時に辛くなったりするんだろう。だから、もっとウケたいとか、もっと驚かせたいとか、いろんな欲求が出てくるんだと思う。日本だとこういう反応はほとんど無いから、クリエイターは海外に出て、初めて観客に育てられるんだと思う。たぶん井上監督も今回の上映でそういう気持ちが芽生えたんじゃないかな。これはやはりこの監督がタダモノではない証拠みたいなもので、次はこの客をもっと興奮させてやる!という新たな意気込みみたいなものが生まれたんだ。

「それにしても今更、映画をカットするなんで無理だし、この映画は今のテンポがベストだよ。僕の隣にいる現地の映画ライターもこの映画を絶賛してくれているのが何よりの証拠だよ!」

僕はプロデューサーだからある意味冷静だけど、クリエイターは常に観客と自分との戦いでもあるので、井上靖雄はどうしても悔しいらしい。

「今度はもっとブッ飛んだ作品で、コイツらをもう一度ギャフンと言わせてみせますよ!」

CMディレクター・井上靖雄は、ここロッテルダムでようやく映画監督としての第一歩を踏み出したのだ。

たぶんこの男は、来年のこの舞台で再び拍手喝采を浴びているに違いない。

「さあて、僕も日本に帰ったら忙しくなるなぁ! あの企画、早く進めないと来年の映画祭に間に合わないよ!!」

…次はいよいよ!日本編! ゆうばり映画祭です。果たして『隣人13号』はグランプリを獲得できるのか!? またのレポートをお楽しみ(?)に!!

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::(おまけ)市内の大きなシネコン。かなりモダンな作りですね。館内もかなりオシャレです! でもちょっと六本木ヴァージンっぽい??

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January 28, 2005
いよいよ公式上映!

いよいよ今日の夜に『隣人13号』の公式上映があるのだ! どんな反応なのかちょっとドキドキしてくる。で、それまであと何時間あるの?ってことで3人で相談した結果、いきなりアムステルダムに行くことにする。ロッテルダムというのは、街の雰囲気で言うと日本の丸の内みたいな所で、近代的な建物が多くてかなり洗練された都市といった感じ。「やっぱオランダに来たんだからアムステルダムに行かないとダメですよ」と通訳の羽山さんにも言われたので、電車で1時間もかけてアムステルダムへ。

なるほど、アムステルダムは街の雰囲気もかなりレトロでいい感じです。でも、そんな中に突如として飾り窓(本当に半裸の女性がいっぱい立ってます)とセックス・ショップが現れてビックリ! 世界中の欲望野郎、憩いの地だね、ここは!! で、我々はあの有名はマダムタッソーの蝋人形館に入り、お化け屋敷で絶叫!! ここはマジ怖いので皆さんもアムステルダムに行ったなら、ぜひ体験してみてください!

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::ここが上映会場のLUXOR。とにかくデカイっす!!

そして夜の10時30分からついに『隣人13号』の上映。場所はLUXORという巨大なホールで、普段はイベントに使う劇場なんだそう。でも、余裕で1,000人以上が入るこんな所で上映して大丈夫なのか??と皆で心配になる。この映画、ロッテルダム映画祭がワールドプレミアの場ということで、映画祭的にもPUSHしてくれているらしいんだけど、スクリーンもバカデカイし、さすがに不安だ。そうこうしてるうちに続々と人が集まってくる! 夜の10時過ぎだってのにどっからこんなに人が集まってくるのか不思議なくらい続々とやってくる。あっという間に席も7割ぐらい埋まっていよいよ井上靖雄監督の舞台挨拶が開始!

::上映を待つ人々でごったがえすロビーrotterdam2.jpg

(司会)[もちろん英語で]今日は日本映画の『隣人13号』の上映です! この映画はあまりにもバイオレントすぎるという理由で、いくつかの映画祭から出品を断られた映画ですが、このロッテルダムでワールドプレミアを行うことになりました!!
(観客)イエーイ!!!

(司会) では監督の井上靖雄を紹介します!!
(井上)皆さんこんにちは、東京から来た井上靖雄です。英語が分からなくてすいません。
(観客)[爆笑!!]

(井上)この映画はいろんな映画祭から断られたんですが、このロッテルダムに招待されてもの凄く光栄です。ロッテルダムは素晴らしい!!
(観客)[大ウケ!!]

(井上)この映画には皆さんにお馴染みの三池監督が出演しています。彼はいつも映画で人を殺してばかりいるので、僕がこの映画で彼を殺してみました。一瞬しか写らないので注意して観てください!!
(観客)[再び爆笑!!]

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::上映前の挨拶。ちょっと緊張してる井上監督

…大歓声の中、上映がスタート。やっぱ、みんな最初から楽しむために映画を観に来てるのでノリが全然違う。上映中も日本では誰も笑わない、中村獅童がXXXするシーンやXXXXの匂いを嗅ぐシーンなんかにも大声でウケてたりする。オランダの人たちは、ごく普通な日常を淡々と過ごしてるので(でもマリファナが合法だったりする不思議な国だ)、どこかでこういった過激なものを求めてたりするらしい。もちろん自国の映画やハリウッド映画なんかも上映されてるけど、すごく一般的なものばかりなので、たまに映画祭で上映される三池監督の映画や、エグイ日本映画はかなり新鮮に写るらしい。そんなものを求めて来た連中にとっては、死神の内臓が写るシーンや○○○大写しシーンに拍手がおきるのも当然なのかもしれない。でも、この映画はそんな脅かしばかりじゃないので、それのみを期待してきた観客にはちょっと戸惑った印象を与えたのも事実。でもって、上映後には大きな拍手をもらいつつ、本日の上映は終了!!

以下は上映後のQ&Aより。

(質問)子役の演技がすごく迫真でしたが、あれは本当に演技ですか?
(井上)あれは演技です。彼はちゃんとカメラも意識していました。我々も驚いたくらいです。

(質問) なぜ○○○が大写しで出てきたのか??
(井上)大きな○○○をする人はより怖い人じゃないかと思って入れました(爆笑!)

(質問) 漫画と映画の違いについて
(井上)ストーリーラインは同じですが、全然別なものになっていると思います。

(質問) ラストシーンについて
(井上)人それぞれで感じ方が違うようにしました。自分なりに考えてみてください。

ということで、概ね好評のうちに初回の公式上映は終了。でも、イジメという習慣が全く無いオらしい(?)オランダの人々にはこの映画の深い内容まで伝わったのかちょっと疑問が残る上映でした。

次回の上映の時は、イジメとは何だ?ってことを観客にちゃんと説明しようよ!と監督と打ち合わせ。

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January 27, 2005
オランダは今日も雨…

成田から11時間かけて、ついに来ましたオランダに!! しかも寒いし、雨だし!! 到着したのはアムステルダムの飛行場なんで、ここから約1時間かけて車でロッテルダムまで向かう。今回、『隣人13号』でこの映画祭に参加するのは、監督の井上靖雄、プロデューサーのワタクシ、千葉(メディア・スーツ)と井上靖雄が所属するPICSのプロデューサー、小浜さんの3名。もちろん、映画初監督の井上靖雄は海外の映画祭に参加するのも初めてである。僕はいつもカンヌ映画祭とかには参加してるけど、それはどちらかというと買付け(僕は邦画の製作もしてますが、映画の買付けもしています。)専門で自分の映画を出品して映画祭に参加するのは一昨年『地獄甲子園』で韓国のプチョンに行って以来の事。そうそう、プチョンでは『地獄甲子園』が、もの凄くウケたんだよなぁ〜と。海外の映画祭は観客の反応がストレートに伝わってくるのが何よりも面白いんです。日本のお客はあまり笑ったりしないからね〜。『地獄甲子園』観に来て、隣の客がうるさいとか文句いってたら、外国で映画なんか観られないよ!!

main_rinjin.gif

とまぁ『地獄』の話はさておき、ロッテルダム映画祭というのはどんな映画祭かといいますと、今回が34回目ってのも凄いし、この映画祭は昔から積極的に日本映画の若い監督を紹介してくれる映画祭としても有名なんじゃないでしょうか。僕が前にプロデュースした望月六郎監督の映画『鬼火』や、何と言っても三池崇史監督の血みどろヤクザ映画『不動』を最初に紹介してくれたのも確かこの映画祭だった気がします。

そんなワケで今回も日本映画は沢山出品されていて、その中でも『隣人13号』『IZO』『CASSHERN』『SURVIVE STYLE 5+』あたりがカルトっぽい映画として夜の11時ぐらいから上映され、ちょっとイカれた連中なんかがぞろぞろやってくるってコトです。(そんな人ばっかじゃないですけどね)当然、映画祭のカタログには上映されるすべての作品の写真と解説が入ってたするんだけど、なぜか『隣人13号』のページには三太さんの漫画がデカデカと掲載されていて、映画のスチルが見当たらない。(漫画の映画化ってことでワザとやってるんだろうだけど、アニメじゃないんだから勘弁して欲しいよなぁ〜)poster_rinjin.jpg
photo: International Film Festival Rotterdam

この日の僕らは作品の上映も無いので、三人でロッテルダムNO.1のマズイ中華(後で聞いたんですけどね)を食べて今日の仕事は終了! そこで笑ったのが、今回、映画祭初参加の井上靖雄は小浜さんに騙されて、あやうくタキシードを買うはめになったらしい。映画祭=タキシードという間違った思い込みがそうさせたらしいけど、逆にその格好で舞台挨拶したら大ウケなのに! とひとしきり盛り上がる。普段はシャツすらも着ない男が一応スーツを買ってロッテルダムに持ってきたってんだから笑える話でもある。

『隣人13号』
監督:井上靖雄   原作:井上三太
出演:中村獅童、小栗旬ほか
配給:メディア・スーツ
劇場情報:3月下旬よりシネクイントほか全国にて公開
(C)2004 井上三太/『隣人13号』製作委員会

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カコキジ!