今日の夜は11時から2回目の上映。場所も前回のバカでかいホールから、市内にあるマニアックな映画館に移動。なんとなくこの映画はこういう雰囲気のほうが似合うよなぁ〜と思いつつ、まずは監督の挨拶から。
::2回目の上映会場。怪しげな雰囲気がサイコーです!!
(井上)この映画はイジメというのがテーマになっています。イジメは日本では社会問題になっていて、それを苦に自殺してしまう子供もいるほどです。映画の中にはバイオレンスな表現も出てきますが、そこだけでなく、違う部分も感じてもらえるとうれしいです。
前回とはうって変わった監督のシリアスな挨拶で始まった今日の上映は、客数も200席ぐらいなので、観客が一体となってこの映画を感じてる様子が手に取るように伝わってくる。前回と同じように笑うべきポイントはしっかりとおさえつつ、ようやくこの映画をちゃんと理解しようとしてる感じがした。やっぱり、監督の挨拶が利いたみたい。前回は煽りまくったから、客が別の物を期待しちゃったんだと改めて反省。で、僕が今日の上映で特に面白かったのは、劇団ひとりのシーンで皆が爆笑してたこと! 日本のお笑いは海を越えても通用しますよ、マジで!! 映画とか音楽だけでなく、日本のお笑いもぜひ海外に進出してほしいものですね。
…という訳で、前回以上(?)の熱狂的な拍手とともに今日の上映も終了!今日は前回よりも観客の反応が良かったのは確かだ。
以下Q&Aより。
(質問)この映画は同じく漫画を原作にしている三池監督の作品(たぶん『殺し屋1』のことを言っている)や他の作品とテイストが違うような気がしますが?
(井上)あえて漫画的な表現は一切使わないようにしました。漫画と映画は全く別物なので、よりリアルに見えるようにこだわりました、だから他の作品とは違って見えると思います。
(質問)初監督の作品を漫画の原作にしたのはなぜですか?
(井上)この原作は、他の漫画と違い、身近な恐怖を描いたリアルな題材だったので、面白い映画になると思いチャレンジしてみました。
(質問)漫画の原作を映画にする難しさはありますか?
(井上)基本的に紙の表現と動画は全く別物なので、より映像的なアプローチを心がけました。最近は漫画を原作にした映画が多いのですが、ほとんどが原作と違うものになってしまい、原作のファンががっかりするようなものばかりなので、原作のファンが見ても「面白い」と言ってもらえるものを作りたかった。
(質問)キャスティングについて
(井上)ほとんど見た目で決めました。中村獅童の顔は怖かったでしょう?[爆笑] 三池さんは映画で人を殺しまくっているので、僕がこの映画で殺してやりました。
[ふたたび場内爆笑!!!]
(女性の質問で)私はこの映画にハマってしまい、今日で観るのが2回目なんですが、(笑)この映画はメキシコで上映したら大ヒットすると思います。
(井上)(たじたじと)あ、ありがとうございます…
…いう訳で、なぜこの映画がメキシコで大ヒットするのか、その女性に確かめることも出来ずに(笑)本日の上映も終了! 今日の反応はすごく良かったんじゃない、ね、井上監督!!
(井上)「千葉さん、俺、この映画もっとカットしたいんですけど。何なら自腹で。」
え〜っ! 何を言い出すのかと思ったらそんなことを!! いったいどういうつもり????
…海外の映画祭だと、観客の反応がストレートに伝わってくるから、監督にとっては一緒に映画を観るという行為は時に辛くなったりするんだろう。だから、もっとウケたいとか、もっと驚かせたいとか、いろんな欲求が出てくるんだと思う。日本だとこういう反応はほとんど無いから、クリエイターは海外に出て、初めて観客に育てられるんだと思う。たぶん井上監督も今回の上映でそういう気持ちが芽生えたんじゃないかな。これはやはりこの監督がタダモノではない証拠みたいなもので、次はこの客をもっと興奮させてやる!という新たな意気込みみたいなものが生まれたんだ。
「それにしても今更、映画をカットするなんで無理だし、この映画は今のテンポがベストだよ。僕の隣にいる現地の映画ライターもこの映画を絶賛してくれているのが何よりの証拠だよ!」
僕はプロデューサーだからある意味冷静だけど、クリエイターは常に観客と自分との戦いでもあるので、井上靖雄はどうしても悔しいらしい。
「今度はもっとブッ飛んだ作品で、コイツらをもう一度ギャフンと言わせてみせますよ!」
CMディレクター・井上靖雄は、ここロッテルダムでようやく映画監督としての第一歩を踏み出したのだ。
たぶんこの男は、来年のこの舞台で再び拍手喝采を浴びているに違いない。
「さあて、僕も日本に帰ったら忙しくなるなぁ! あの企画、早く進めないと来年の映画祭に間に合わないよ!!」
…次はいよいよ!日本編! ゆうばり映画祭です。果たして『隣人13号』はグランプリを獲得できるのか!? またのレポートをお楽しみ(?)に!!


::(おまけ)市内の大きなシネコン。かなりモダンな作りですね。館内もかなりオシャレです! でもちょっと六本木ヴァージンっぽい??