[cinemacafe.net BACKNUMBER] バックナンバー




October 11, 2004
"韓国の北野武"にインタビューのはずが…

最近の韓国映画界で一番話題の監督は、"韓国の北野武"ことキム・ギドクだ。評価の高い『悪い男』Bunkamuraで公開が決定した『春夏秋冬そして春』、チャン・ドンゴン主演の『コーストガード』も待機中…と、まさにイケイケ状態。今回の釜山映画祭では、去年のヴェネチア映画祭グランプリを獲得した『サマリア』と、最新作の『3-Iron(邦題:空き家)』の2本がエントリーしており、釜山に来るのでそのプロモ・インタビューをすることになっていたのだ・・・が。先方の予定変更でインタビューは13日に。私は12日帰国なのでギドクには会えずじまい。残念無念。

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::ナンポドンのPIFF広場では特設ステージ設営中。期間中、公開生放送などがジャンジャンやっている。
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::ナンポドンのメイン会場「デヨン劇場」では、セカチューも上映中だった。
3-4.jpg::駅から海岸に行くまでの間にある、ヘウンデのPIFF広場。若手アーティストの不思議グッズがたくさん売ってるのはなぜ?

ラブストーリーが人気の主流だった韓国映画で、このところ勢いづいているのが韓国ホラー。去年は『箪笥(たんす)』が面白かったので、今回も…と選んだのが今日の1本目『R-point』。ベトナム戦争中、行方不明者が続出する不気味な場所"Rポイント"。そこから唯一生還した部隊長が、行方不明者を探して再びその場所へ…という物語。舞台挨拶に現れた監督に「宣伝ポスターでは主人公が白目を向いてオバケみたいだったのに、映画は全然違うじゃないか!」と、またしても"ケンカ上等"の挑戦状を叩きつける韓国人女子が。突き進め突き抜けろ、アグレッシブな韓国人女子。面白いぞ!

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::韓国版”ウォーク・オブ・フェイム”。ホウ・シャオシェンとかジェレミー・アイアンズとか…
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::北野武も”ビートたけし”名で、ありましたっ!

そして私が韓国を去る12日の午前中。ナンポドンで最後の映画『Wolf Returns』を見終えたところ、PIFF広場の特設舞台で公開生放送が。人ごみを掻き分けて前に出ると、なんとそこにはキム・ギドクが『3-Iron』の主演男優・女優とならんで、にこやかに新作について語ってるじゃないっすか。なんだよ、いるんじゃん、キム・ギドク、"水道橋博士@浅草キッド"かと思っちゃったよ、あまりに似ててまいいや、また今度、会おうね。また来年の釜山映画祭で。

1-5.jpg::ナンポドンの夜はキラキラの屋台村状態。チゲやらチヂミやらリーズナブルで腹いっぱい。

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October 10, 2004
超攻撃シフトの韓国女子と、恥ずかしがりな笑顔の男優
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::ナンポドンのチケット売り場。朝イチ以外は一日中ごった返していて、あつみしほモミクチャ。
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::チケット売り場の横に売り切れ情報の掲示板が。当日突然の舞台挨拶情報もここでチェック。

それにしても韓国の女優って、みんな同じ顔だなあ。町中のポスターやTVに登場するのはだいたいが黒髪のサラサラストレートロング、それを時にひっつめにし、顔は無個性的に整った美人である。保守的な国だから女優は"キレイなだけの添え物"になりがちなのだが、その中でアグレッシブな作品選びをする人も、少ないけど、いる。『オアシス』のムン・ソリとか、『子猫をよろしく』のペ・ドゥナとか、『スキャンダル』のイ・ミヨンとか。タブーとか恐れない彼女たちの作品は、とーぜん面白い。

::『2046』の舞台挨拶に来た二人。トニー・レオンはそこらのアンちゃんみたいだし、ウォン・カーウァイはデカくてビックリ。2-3.jpg

そして今日のお楽しみなそんなアグレッシブな女優の一人、チョン・ドヨンの新作『The Mother, The Marmaid』。『スキャンダル』ではヨン様の相手役で清純で貞淑を人妻を演じたこの人、その前の『ハッピーエンド』では『武士』の将軍役チェ・ジンモと"ひゃーっ! お尻の穴がみえちゃうよ〜っ!!!"なベッド・シーンを演じた人。なのにイメージはあんまり汚れない無敵の好感度女優である。作品は韓国版『初恋の来た道』って感じで、案の定の可愛さ。相手役のパク・ヘイル(『殺人の追憶』で最後の容疑者を演じた男の子)も爽やかでいい感じ。舞台挨拶はそのパクちゃんがもの憂げに登場。こういう時「何か質問は…」と言われると、韓国人女子は必ず挑戦的な質問をする。「先日のオープニングでもあなたを見つけて、私はズーッと追いかけてたのに、あなたはなんで笑ってくれなかったの!」。ムチャ言うなあ。日本人俳優なら相手にしないか怒るかどっちかってシチュエーションだが、韓国スターは信じられないほど優しい。パクちゃんはおもむろに彼女に近づいて手を取って謝り、「照れ屋なので、うまく笑顔にならなくて」と、恥ずかしげに笑ったのである。いやー、すごい。見上げたファンサービスだ。

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::釜山は『2046』に大大大熱狂。ナンポドンにはプロモーションのテントがあり…
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::朝から長い行列に並ぶと、こーんなポスターやグッズがもらえる。もちろんタダ!
2-6.jpg::もちろん『2046』以外もあります。一番目立ってたのは『カンフー・ハッスル』の真っ赤な紙袋。

さて今日のチェミッソヨ(面白かった)な1本は、ウルグアイの映画『ウィスキー』。靴下工場を経営するぜんぜん面白みのないオッサンが、ブラジルから数十年ぶりに故郷に戻った面白さ満点の弟に、新婚の妻を紹介。だがその妻、実はオッサンが経営する工場の庶務のオバさん。違和感満点の3人のやりとりがアキ・カウリスマキっぽい。中南米でもこんなのが好きな人いるんだなあ。「ウィスキー」は写真を撮るときの「チーズ」と同じように使う言葉。楽しみのないオッサンはその言葉なしでは笑顔が作れず……おや、中米にも上手に笑えない男が。

2-7.jpg::食い物シリーズ。韓国の映画の友は、焼き立ての”バターさきいか”と”タラの干物”…し、シブい。

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October 09, 2004
日本では韓国ドラマが、韓国では日本映画がブーム?

映画祭も今日で中日(なかび)ってワケで、1日くらいヘウンデに行くことに。PIFF広場に面した大通りからヘウンデ行きのバスがあると聞き、行ってみると『21g』のラッピングバスが。無料シャトルだと運転手に聞きさっそく乗り込む。釜山映画祭には"New Current"という部門があるが、なぜかナンポドンでの上映予定がない。このジャンルは「日本映画が多いし別にいっか……」と思いつつチケット掲示板を見たら、この部門に限らず日本映画はのきなみ売り切れ。『誰も知らない』『69シックスティナイン』『血と骨』と次々で、係員が「日本映画は全部売切れ!」と拡声器で叫ぶと、どわどわっ! と韓国人が列を抜けていく。日本で韓国ドラマがブームで、韓国で日本映画がブームって、なんかへんなの〜。ないものねだりだね。

ヘウンデの会場のシネコン「メガボックス」は駅前のファッションビル"sfunz"にある。映画のチケットはないが物見遊山、私は劇場入り口の6Fへ。物販エリアのそこはネオンピカピカのわんさかわんさか、まるでゲーセンであるよ。だが階上の劇場エリアに入るためのゲートにいる係の若者の目はクールだ。チケット持たずにゲートを抜ける気なら、あたしを倒してから行きな! って感じである。これに対してナンポドンはユルくて優しい。実はこの日ナンポドンで、私は失敗をやらかし映画を見はぐりそうになったのだが、事情を説明したらボランティアの若い子が一所懸命走り回ってどうにかしてくれた。泣けたね。有名人の舞台挨拶が多く劇場がきれいなヘウンデ、町に美味しいものが多くてフレンドリーなナンポドン、それぞれに楽しみ方があるって感じなんだな。

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::メガボックスのチケット売り場と、劇場入り口。ネオンぴかぴかでゲーセンみたい。

::ヘウンデは「海雲台」と書くビーチリゾート。浜辺の”謎オブジェ”によっかかったら、警備員に叱られた。3-3.jpg

ヘウンデでもナンポドン同様、町中でいろんなイベントがPIFF公or未公認で実施中。ビーチには謎オブジェが転がり、若いアーティストたちが店を出す広場もある。劇場公開作のイベントも多く、"sfunz"の入り口では『アレキサンダー』のイベントが。韓国人女子が列をつくるその先には、アンジェリーナ・ジョリー演じるヒロイン、オリンピアスのポートレイト。「プロの技術でアナタもアッという間にアンジーに!」無料メイクアップのサービスである。無理だろ! と突っ込みたくなる衝動を抑え、私はナンポドンへ戻るシャトルに再び乗りこんだ。実はこのシャトルも『21g』のプロモーションで映画会社が勝手に運営中。これが日本なら両者が「何かあったら困るから勝手なことはするな/しないほうがいい」と言いそうだけど、んなことぜーんぜん関知しないのが韓国人らしくていい。釜山映画祭はこーやって、どんどん勝手に膨張していってるんだな。

::韓国のアレキサンダー。いまいちピリッとしね〜な〜。3-5.jpg

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::「プロのメイクで、あなたもアッという間にアンジーに!」現場。んなの無理だけど、楽しいやね。

もちろん今日も映画は見ましたっ。エミール・クストリッツァの新作『Life Is Miracle』。パンフには「会話は英語&字幕はハングル」って書いてあったくせに、映画館入ったらなんだよボスニア語じゃん。さっぱりワカラン…にもかかわらず、最高に面白くて笑えるという驚異的な映画。監督の持つ才能とパワーがこれまでの映画と格段に違う。映画は言葉じゃないんだなあ〜。

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October 08, 2004
1日4本って、けっこーすごいよ。

本日は4本分のチケットをゲット。『FORGIVENESS』『HUMAN TOUCH』『2046』『THE 9TH DAY』。『2046』以外はトロントでもまーまーの評判だったもの。なかでも『HUMAN TOUCH』はあらゆるフリーペーーパーがのきなみ5つ星をつけていた作品。大物のジイさん写真家のモデルになった女が、憧れていたそのジイさんとコトに及びそうになった時に、彼がすごいマザコンでそのうえインポだと発覚。女は住んでのところで倦怠期の夫の元に戻るが、事情を知った夫は大ショック、夫婦は完全なセックスレスに陥り…というのを、なんだかハッキリしない会話で話し続けるという、もー外国の映画祭で見たら致命的な映画。案の定グーグーである。やっぱ1日3本が限界だにゃあ。映画の合間に冷麺の名店、元山冷麺へ。うまいっす。

イベントステージで隣にいた韓国人の女の子は、お友達がキムタクのファンだと言っている。彼女自身はチャン・ドンゴンのファンである。一昨年の釜山ではチャン・ドンゴンの舞台挨拶があったりしたけど、今年はめぼしい韓国スターはあんまり見当たらない。いまや韓国スターは、日本にいるほうが会える。チャン・ドンゴンもウォンビンもイ・ビョンホンも今年の下半期だけで2回以上来日してんだから驚いちゃうよね。

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October 07, 2004
5時半起きで、釜山入り。ぷっはー。

朝9時45分のコリアン・エアーで、本日から釜山入り。ほぼ年中行事となったこの映画祭に行くために、前日まで酷いスケジュールで原稿をこなし、それでも終わらないものは現地でやる覚悟で資料を鞄に詰め込む。7時45分には成田に到着するためには6時半のリムジン、それに乗るためには家を6時には出なければならないので、5時半起き。朝日は久々なので、せっかくだから腰に手を当てて野菜ジュースを飲みながら見る。ぷっはー。

1時間半で釜山にアッサリ到着。モントリオールに行くときは4本映画見てもまだ着かなかったのに、韓国は近くていいやね。空港からはタクシーでナンポドンへ。いつものホテルが取れなくて初めてのホテル、なんか怪しくて笑える。部屋の鏡で顔を見たら、ハードスケジュールがモロに出たすっげー顔。元気を出すためにさっそくサムゲタンを食べる。PIFF広場はまだぜんぜん未完成。映画のチケットも取れなかったし、いっそのこと……ということで、韓国のエステサウナ「汗蒸幕(はんじゅんまく)」へ。みっちり3時間で、にごりきった顔色が血色を取り戻す。ぷっはー。ごくらくごくらく。釜山映画祭はこれがあるからやめらんないのよね〜。

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カコキジ!