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October 19, 2005
そういえば映画を撮った事がある 最終回

2000年3月22日。多分この日は曇り空から時々晴れ間がさす天気だったと思う。監督の自宅に集合したのはお昼過ぎ。久しぶりに会う映画スタッフは、皆がそれぞれ逞しくなっていた。「久しぶり!」「元気してた?」という会話が飛び交う中、監督が声を上げる。2年以上掛かった私たちの映画が、今日いよいよ世に公開されるのだ。

場所は中野駅南口を出てすぐにある"なかのZERO大ホール"。実は映画スタッフの殆どが完成した映画を見ていないので、一体どうなったのだろうという期待感が皆の胸でふくらんでいた。各々、電車や車でホールに移動する。いつのまにか正装に着替えている人までいた。

suda1019_1.jpg上映はプロジェクターで映す。機材チェックも相変わらずのメンツ。監督と積み込みから機材周りの面倒を見ていた先輩がつきっきりでチェックをしていた。他のスタッフは中野駅でビラ配りをしたり、当日受付の対応をしたりと、この人達はよく働くなあと感心するほど動いている。やっぱり、最後まで残ったスタッフ達。皆で何かをすることがスキなのだ。

いよいよ開演の時間。ずっと舞台裏で作業をしていた私は、ぎりぎりに客席に駆け込む。なんと満席だった。凄い。そして、中野駅でビラを見て興味本位で来てくれた人までいた。上映時間は90分。途中、私が作った曲が流れる場面では素直に感動した。

suda1019_2.jpgあの日から、5年が経った。監督は大学を卒業して就職するも、数年前に退社し現在独立してデザイン制作会社を起業した。脚本を書いた先輩も大学卒業後に出版社に就職するも、退社し脚本を書いたり、本を書いたりと精力的に活動している。そして、映画スタッフの皆も各々が自分のフィールドを見つけて活動している。しかし、毎年忘年会や新年会で集まると、変わらずあの日の事を話している私たちがいた。

映画を撮る。凄く大変な事だと思われると思う。実際、体力的にも精神的にも疲れることは沢山有ったけど、その分出来上がった達成感は計り知れないモノがある。今でも映画を見るときは、誰かと見るときは純粋に映画を楽しみ、一人で部屋で見るときは(このシーンはこうやって撮影してるのかな?)と、裏側を創造しながら見るので二度楽しめる。

さて、私のこの「そういえば映画を撮った事がある」シリーズは終わり。次回以降は、日記のような日記じゃない文章になる予定。最後に、長いコメントをいただきましたしんのすけさん、有難うございました!同い年、まだまだうちら若いですから、ガンガン世の中に価値を生み出しましょうね! 「たまがわへ行こう」できたら、ジャンベ片手に合流しますー!

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October 18, 2005
CICADA@西麻布

wine_cicada.jpg

私の個人ブログを見てる人からは、「スダッチのブログは食べ物だらけだね」と言われる。仕事柄というのもあるが、1週間のうち5日は外食をしているし、仕事の内容をおおっぴらに書くことが出来ないので、大体がレストランの紹介になってしまうのである。

さて、そんな私に、カフェグルーヴスタッフの方から、ワインに関する質問メールが届いた。基本的に、夜は車で移動しているためお酒を飲むことが多くないのだが、反動で電車移動の夕食は平気でワインを2本以上空けてしまう。そして、大体翌日は昼過ぎまでダウンしている可能性が高い。質問の内容は下記の通り。
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(1)ご贔屓のワインの銘柄をひとつ
(2)東京でお勧めのワイン店・レストラン
(3)ご自身のワインにまつわるこだわり・エピソード
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というわけで、これは(1)と(3)を先に答えよう。私のご贔屓ワインは、サンフランシスコから車でことこと走ったところにあるナパバレーで作られるカリフォルニアワイン「Opus One」である。銘柄とかブランドとかそういう左脳的にワインを覚えるのが苦手で、どちらかというとそのワインにまつわる話を聞いたり、エチケットが可愛かったり、人に貰ったり、何となく店頭で持ったりして気に入りながらワインを楽しんできた。

んでもってこのワイン。ずっと音楽をたしなんできた私にとって、Opus Oneという銘柄にどきっとしてしまったのがそもそもの出会い。Opusというのは作曲家ごとの作品の一連番号。たとえば、年末に散々テレビでかかるベートヴェンの第九はop.125というように、このワインは作品番号1番という名前が付いているのだ。

確か、最初の出会いはたまたま銀座のエノテカで物色していた時。たまたま目について、エチケット(ラベル)も私の大好きな青が使われているし、これ欲しい!と値段を見ると衝動買いできる値段ではなく、しばらく悩んで勇気を出して買って、一人で飲んでも寂しいなと友人を呼んで飲んだのが初めてだった。まだ、二十歳やそこらでワインなんて何が美味しくて何が美味しくないのだか分からないけど、背伸びして格好つけてた私でも、飲み込んだときの重量感におおおお!と目が大きくなったのを覚えている。毎日軽い気持ちで飲むタイプじゃないけど、なんか本腰入れたいとき、それこそ自分が納得いくライブや仕事を終えた後、心地よい時間をこのワインと共に過ごしたいなと思う味だった。

そして、以後、とても仲良くしていた後輩が大事な演奏会を終えた後にプレゼントしたり、ツェルマットにスキーに行った際、わざわざイタリアまで山を越えて滑ってOpus One含むワインを6本ほど背負って又山越えをしたりと、今でも自宅のセラーにはOpus Oneの数年分のヴィンテージが飲まれる日を待っている。

次に、東京でお勧めのワイン店・レストラン。これは、何店かあるので今後も紹介していきたいが、トップはやはり西麻布の「CICADA」だろう。常時100種類のワインがあり、さらに素晴らしいことにバイザグラスで30種類近いワインを楽しめるのが特徴。勿論、料理は美味しいし、電車でのアクセスは不便なのだが、恵比寿からタクシーで1000円かからないので、今日は飲むぞ!という時にはぴったりだ。是非、皆様ご利用してください。
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「CICADA」
住所:〒106-0047 東京都港区南麻布5-2-40日興パレス1F
Address:5-2-40 Minami-Azabu,Minato-ku,Tokyo
TEL:03-5447-5522
FAX:03-5447-5523
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September 28, 2005
そういえば映画を撮った事がある その5

約2ヶ月ぶりのエントリーとなる。本当に申し訳ない。なんにせよこのセレブログ、私としては軽い気持ちで書いた日記代わりのエントリーというものがどうしても出来ず、少なくともこの映画がらみのエントリーだけはきちんと文章を推敲して掲載したいと思っており、まとまった時間をとらないとエントリーが出来ないのである。

さて、この2ヶ月間何をしていたかと言うと、まずは通信で通っている大学の夏期スクーリングに行ってきた。小学校の教員免許を取得するためにレポート送付と数ヶ月に一度行われる試験で行われるカリキュラムを受講しているのだが、どうしても総合演習という授業のみ実際に学校に通って受けなければいけなく、会社の夏休みほぼ全日利用して往復4時間の大学へ午前6時に起きて通ったのだ。そして、9月に入って私が統括をしているSoulSwitchのフリーペーパー発刊、ホームページリニューアルなど、大きなプロジェクトに帆走していた。やっと、落ち着いてまとまった時間がとれるようになったので、これからは定期的に更新していきたい。

さて、この映画撮影記も5回目になったが、暖かいコメントを頂き非常に励みになっている。本当に有難うございます。遅れてしまいましたが返事書かせて頂きます。やっぱり、書いている以上反応が有るのは非常に嬉しい。というわけで、この映画エントリーが終わった後も、セレブログのエントリーは私個人のブログの様なエントリーではなく、内容を吟味して書くことを心がけよう。

先日、またも夢見ヶ丘に行ってきた。今回はカメラマンとしてCDジャケット用の写真を撮りに行ったのだ。やはり、何かクリエイティブな活動をする時は自分が気に入っている場所に行くとアイデアが湧いてくるモノだ。アーティストに送るために何枚か構図を変えて撮ってみる。この場所は曇っていても晴れていても表情豊かな場所なのだ。7年前の12月、冬の息吹が深まる表情豊かなこの場所で最後のシーンを撮影した。今日はこの感動の1日を書きたい。

車4台でお昼過ぎの都内を後にする。葉山に向かう車の中は、皆楽しそうにしているものの、怒濤のごとく過ぎ去った撮影の日々の終焉を寂しく思う気持ちが、どこからとなくこぼれていた。国道をはずれて田んぼの中を走る。舗装されていない土道を竹藪に向けて走ると先頭の監督が車を止めた。(こんな所に撮影スポットがあるの!?)と驚きを隠せないメンバーの前を、既にロケハンにいった実行委員会がにやにやしながら歩いていく。

satsuei3-05-04.jpgすれ違うことが困難なくらい両側に生い茂る竹藪の間の急な坂道を下ると、急に視界が開けて夕陽と海が広がった。根拠も何も無いけど、今日の撮影が絶対に上手くいくと確信してしまう程素晴らしい場所だった。私自身、久しぶりにこの撮影に参加したので、また機材を調整しないとと思っていたが、半年に及ぶ撮影の間に、他のスタッフは要領よく仕事をこなし、私の仕事は殆ど無くなっていた。寂しくも頼もしく思える瞬間だ。

写真をみて分かるとおり、撮影班はダウンジャケットを着ないと寒くて過ごせない程気温が低い夕方。夏の設定だったので、キャストは短パンTシャツで挑まなければ行けない。私は撮影がとぎれるたびにキャストに服を渡し、撮影開始直前に服を受け取ることを繰り返した。

satsuei3-05-05.jpgこのシーンは、映画の世界でも実際の世界でも全く楽器を弾けないキャストが、おもちゃのピアノで自作のメロディーを弾くシーンだった。真冬の海辺は指がかじかむ風を送り続ける。人差し指だけで弾くメロディーと、寒さと、今までの日々の想い出と、沢山の感情を胸に巡らせながら最後のシーンにキャストは挑んでいた。

そして、半年に及んだ撮影の日々もクランクアップを迎えた。勿論この後、怒濤の編集作業が待っていることを皆知っていたけど、沈みゆく夕陽がとても感情を高ぶらせてくれる。機材の片づけが完了しても、皆夢見が丘の上から夕陽が沈む直前まで海を眺めていた。

satsuei3-06-05.jpgそして、年が明けた1月から編集作業が監督宅地下室で始まった。この作業に関しては、あまり外部は口出すことが出来ない。キャストもスタッフも差し入れを持ってきて、編集作業を見つめては帰る日々が続いた。

henshuu-01-01.jpg結局編集作業は丸1年以上かかり、スタッフやキャストもそれぞれ大学を卒業していたり、ベンチャー企業を立ち上げたりと、月日の流れと共に皆が成長していた。多分、映画に対する熱い思いも大分冷めてきてしまっただろう。そんなある日、監督から3月に上映会をやるからと連絡が届いた。あまりに急な連絡にとまどいを隠せなかったが、いよいよ映画を皆にお披露目することができる日が来たのだ。一年以上前の撮影最後の日の興奮が又わき上がってきた。

続く

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August 02, 2005
そういえば映画を撮った事がある その4

いよいよ2005年も8月に入った。連日の猛暑を都会で過ごしていると、何とも言えないぎすぎすした気分になる。先週の日曜日に葉山の海で一日のんびり過ごしたのだが、海風と波の音がなんともいえない心地よさを与えてくれた。

映画の撮影も8割が軽井沢や山中湖の自然に囲まれた場所で行われていたので、どんなに暑くても風が木々をゆらす音や、小川のせせらぎの音が気分を涼しくさせてくれていた。数ある撮影場所の中で、私の一番お気に入りのスポットは、映画内では夢見が丘と呼ばれている海に面しているのに芝生が茂っている丘の様な場所。

当初の予定では行く予定が無かったのだが、せっかく葉山に行ったので久しぶりに夢見が丘に向かうことにした。地図にもカーナビにも表示されないその場所は、畑の中をつっきって、生い茂る木々の間の小道を下ってひたすら歩いた場所にある。

何年経っても変わらず自然を保っているこの場所は、地元の人に愛されて大切にされているのだろう。芝生にはゴミ一つ無く、日曜日というのに人も少なかった。

数年前の夏の終わり、この場所で映画の最後のシーンを撮影した。夏休み開始と同時に、御殿場の方に宿舎を構えて、7割近いシーンを撮影し、今度は都内に戻って映画の冒頭から途中途中の都内のシーンを撮影した。今日は、この都内に戻ってからの話を書きたい。

山中湖、明野村、軽井沢、御殿場と、木々や湖に囲まれた撮影が終わり、次は都内での撮影になった。地方での撮影とは違い、遠くに一日でも参加が出来るので、今まで手伝いたくても手伝えなかった友人が撮影に参加したり、逆に合宿にずっと参加していたスタッフが休息を取ったりと、上手い具合にスタッフが入れ替わった。私も自分の勉強と仕事が多数有った為に、撮影に参加する機会が減ってしまい少し映画撮影から離れてしまった。

その日は夕方から天気が怪しくなり、太陽が沈むと同時に雨が降ってきた。映画の一番冒頭のシーンは、土砂降りの雨の中、傘もささないでふらふら歩いている主人公に、走りながら横断歩道を渡るサラリーマンが当たってピアスを落とすというありがちなシーンから始まる。ありがちだからこそ、撮影するのは難しい。集まってくれたエキストラは、スタッフの大学の友達など含めて30人以上。この頃になると友人達も面白そうだから何らかの形で関わりたいと言ってきてくれるようになっていた。

結局、雨の246にスタッフ含めてかなりの人数と車が集まり、普通に道行く人が興味を持ってスタッフに話しかけて、なぜか一緒になって参加するというハプニングもあった。

suda0802.jpgsuda0803.jpg

都内での撮影は、この246をはじめ、友人の家での撮影、病院の様な部屋での撮影と、時には数人のスタッフだけで、そして時には10人以上のスタッフで撮影をこなしていった。9割の撮影を終えて、いよいよ最後の撮影が夢見が丘で行われる事になった。

既にこの時は秋も終わりを告げようというところ。当初のスケジュールとは大きくずれ込んだ現状。途中で脱落するスタッフもほんの少しだったけど居たことは確か。ただ、殆どのスタッフが、最後までやり遂げると熱い思いを持ってこの日を待ち望んでいた。

冬の訪れを少しずつ感じる秋のある日、ダウンコートを身にまとって葉山に車4台で向かう。撮影最後の一日はこうして始まった。

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July 21, 2005
そういえば映画を撮った事がある。その3

更新が滞ってしまっている。というのも、最近ニュースにも取り上げられている、某リンゴ系会社が始めるサービス対応の為に、大忙しなのだ。この時期、レコード会社で配信系に関わっている人間には余り話しかけない方が良いだろう。なんせ、朝から晩までひたすらパソコンとにらめっこなので。

一見華やかに見える世界でも、裏では頑張っている人たちが沢山いるのだ。映画もしかり、本当に紆余曲折の苦労を経たアウトプットが作品となって世に出てくる。まだまだ、小さかった私たちの思いでであるこの映画も、沢山の挫折と苦労の結果の産物である。今日は、第三話をお送りしたい。

適材適所の人事配置、それも誰が指示するわけでもなく自主的に動き出したスタッフで構成されたチームは、何の滞りも無く平和に撮影をこなしていった。大型の照明を持っている訳では無いので、撮影は殆どが日光に助けられての撮影になる。そのため、まだ朝日が出る前から準備をして、日中は撮影撮影撮影の連続、そして夜になって撮影現場を撤収して宿舎に戻る日々だった。

本来ならば、宿舎に帰った後、話し合いやミーティングをするべきだったのだが、撮影開始からなんとなく上手く行っていた事、実際かなりの体力勝負なので皆が疲れていてすぐに寝てしまった事などの理由から、余り話し合いが行われなかった。これが段々皆のストレスを増大させる事になる。

全員がボランティアの自主参加。というよりも、持ち出しの部分もあるわけで、対価が貰える仕事とは違い、ストレスがたまっても、給料を貰ってるからいいかという訳にはいかない。さらには、皆疲れて宿舎に帰ってるので、一人が不平不満を言い出すと連鎖が始まるのだ。そして、発起人4人の一人が爆発した。

話し合いは、3時間に及ぶ。監督含めて皆が言いたいことを言い出す。論点がずれようが関係ない。皆が思いの丈をぶつける。多分、社会人になった今、こういう本音の話し合いをするのは本当に難しいだろうと思う程の素直さで感情をぶつける。泣き出す人もいたし、物に当たる人もいた(私だ。)。しようがない。最年少は16歳だし、最年長でも22歳のチームだった。

suda0722.jpg翌日のロケの後、宿舎に向かう車が急に方向を変える。ついた場所は富士急ハイランド。監督なりの心遣いだった。私は体調を壊していたので、先に宿舎に帰って休んでいたのだが、メンバーはフジヤマに乗って楽しい時間を過ごしていたらしい。ぶつかり合って結束力を強めていく。チームプレイには当たり前の事だが、何の拘束力も無い、勝ち負けも無い、儲けもないメンバーが見つめる先の映画が、やっと現実的になった一日だった。

撮影は、山梨での日程を終え、今度は都内のロケになる。都内は都内でまた困難の連続だった。 つづく

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カコキジ!
Jul 5, 2005 そういえば映画を撮った事がある その2
Jun 29, 2005 そういえば映画を撮った事がある その1
Jun 27, 2005 ホームシアター導入のすすめ
Jun 24, 2005 身近な自然の音に耳を傾ける
Jun 23, 2005 これからよろしくお願いいたします。From 須田