[cinemacafe.net BACKNUMBER] バックナンバー




January 29, 2006
Mement mori

大雪の中、上野公園を半ば遭難しながらようやく一角座に到着。沖縄出身なので寒いのは大の苦手なのだが、日常の風景を幻想的なものに変えてくれるから雪の日の外出は大好きだ。

広田レオナさんに招待してもらい『ゲルマニウムの夜』を観に行った。花村萬月さんの小説が原作で、退廃した教会の教護院を舞台に、主人公の朧とそれぞれに傷みを抱えた登場人物たちのドラマが展開していく。

ガンジス川のほとりに横たわる死体。そこに群がる犬やカラスたち。一瞬目をそむけたくなるような残酷な現実。そこに漂う物哀しさ、でもそれはある意味では美しい。そういったある種の美しさがこの映画には感じられた。

germanium.jpg『ゲルマニウムの夜』
監督:大森立嗣
出演:新井浩文、広田レオナ、早良めぐみほか
配給:荒戸映画事務所
劇場情報:一角座にて公開中
(C)2005 Arato Film Inc.

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映画的ライフスタイル by 尚玄 at 02:44 PM | コメント (5) | トラックバック (0)
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January 09, 2006
ナイフ投げ

倖田來未さんが12週連続CDをリリースするという記録に挑戦している。光栄にもその内の4本のPVに僕も役者として参加させてもらった。その4本は共に連動していて、3人の男がバーで飲みながら最近あった恋の話をしているという設定。

1本目の『you』はタキというカメラマンとファッションデザイナー目指す女の子のすれ違いを描いた作品。2本目の『feel』は作曲家のマサルがバーで出会った女に一目惚れをする話。そして3本目の『Lies』は僕が演じる浮気性のナイフ投げジンとストリッパーの
話。ラスト4本目の『Someday』はその3本のストーリーの結末といった感じである。

人生に失望して橋の上から飛び下りようとする女。そこに通りかかった男。
「人生を諦める気なら、試しにやらないか?」
そこから命を賭けた二人の関係はスタートする。
ナイフを投げる男。的になる女。
常に死と隣り合わせ、お互いを信頼することでしか成立しない関係。
実際に触れ合うことはないが、二人の間には次第にある種の感情が生まれてくれる…。

『橋の上の娘』のように、そういった美しい関係ではないですが、『Lies』の男と女のやりとりも、別の意味で命が掛かってて面白いと思います(笑)。

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映画的ライフスタイル by 尚玄 at 12:55 PM | コメント (12) | トラックバック (0)
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November 25, 2005
どんこう

浜田省吾さんの新曲2曲のビデオクリップを短編映画にした「TWO LOVE」という作品 を観にいった。その中のひとつ「君と歩いた道」は、周りの同級生と違い大人びた転校生の少女に、少年が少しずつ恋をしていく様が瑞々しく描かれていた。中でも少女がダチョウの詩を朗読するシーンがとても印象的だった。

僕が小学校6年生の時、ある少女の書いた作文を読んだ。

わたしはどんこうに乗っていきたい。
目的地に早く着けなくてもかまわない。
過ぎ行く景色を眺めながら進んでいきたい。
流れ行く風や匂いを感じていきたい。
そして目的地に着いた時には、今より少し素敵になってたらいいな。

確かではないがそのような感じの内容だったと思う。電車のない沖縄で育った僕に とって「どんこう」がどんなものなのか見当もつかなかったが、いびつで、どこか温かなものを僕は想像した。彼女のその言葉の選び方、立ち振る舞い、そして何かを決意したような目に、密かに震え、恋をした…。何かを伝えたいのだけれど全て見透かされているようで、自分が子供じみて思えて仕方ない少年の切ない気持ちがよく解った。

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映画的ライフスタイル by 尚玄 at 06:51 PM | コメント (5) | トラックバック (0)
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August 22, 2005
C'est la vie

shogen0822.jpg全身を鳥肌が走った―。久しぶりに聞いたAngelaの声は以前より明らかに力強さを増し、それでいて透明な優しさに溢れていた。塞き止められ知らぬ間に飽和状態となっていた様々な感情が、彼女の歌に心を許した瞬間、大粒の涙となって流れ落ちた。ここしばらくシビアな現実に目を瞑り、感覚を意図的に麻痺させて生きてきた。後ろを振り向かず、ただひたすら前に進もうと…。

我に返り慌ててサングラスで顔を隠し必死に堪えようとしたけど、一度空いてしまった穴を塞ぐことは手遅れで、熱い涙は止めどなく頬を伝い流れていった。抵抗するのを止めてありのまま彼女の歌う「泣けばいい」を受け入れたら、足枷が外れて自由になれたような気がした。

目を伏せていた現実をそこに見た。傷は未だ疼く…けどそれは徐々に回復に向かっていくであろう。

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June 02, 2005
男の旅 2

アメリカでは日本と違い、酒や煙草を購入する際にもIDの提示が堅く義務づけられている。シアトル留学中、酒が認められる21歳に達していなかった僕は、友人と2人で長距離バスで国境を越え、法の緩いカナダやメキシコで安いワインを朝まで飲み明かしたものだった。味なんてどうでもいい。ただ酔えて夢を語り合えれればそれでよかった。

当時は若かった…色々と無茶もやったが、そういった経験が今の僕を創っている。心を許せる友との旅は何ものにも代え難い。

不味いワインを酌み交わした友人も、今では夢を叶え、フランス料理の立派なシェフである。

wineblog.jpg

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