[cinemacafe.net BACKNUMBER] バックナンバー




June 23, 2006
撮られっぱなし

「撮る」という言葉は、どこか構えてしまう気がする。
「撮られる」という言葉は、更に構えてしまう気がする。
じゃ、「撮られっぱなし」だったら…。

『ビースティ・ボーイズ撮られっぱなし天国』を観た。

観客の中からマジソンスクエアガーデンのビースティーボーイズのコンサート直前に集められたファン50名。彼等のミッションは
「照明が落ちたら、録画ボタンを押せ!何を撮ってもいい。コンサートが終わるまで撮り続けろ!」

ハンディのビデオカメラがそれぞれに渡された。

「撮る」のが禁止されている場所で、いきなり「撮っていいよ」しかも「撮りっぱなしね」と言われたら、面食らってしまうだろう。モンゴルで「トイレは?」と聞いて、「どこでしてもいいよ」と言われる感覚に近いと思う。

そんな面食らった彼等も、自分も楽しいので、ほとんどがステージを撮っているわけだが、中には観客を撮る者もいれば、途中で我慢できなくなってトイレにそのまま駆け込む様子がリアルに映っている者も居る。

どちらにしても編集した監督のナサニエル・ホーンブロウワー、すなわちビースティーボーイズのメンバー、アダム・ヤウクは、言い出しっぺだろうが大変だったと思う。出来上がった映画は、音楽のクオリティのせいもあるが、ドキュメンタリーを楽しむというよりは、ライブビデオを楽しむ感覚に近い。映像からは25周年を迎えるビースティボーイズが、楽しみながら生きてきたんだろうなぁ光線をビンビン感じる。

「撮られっぱなしって、面白くない?」
アダム・ヤウクが楽しそうに言い出した時の様子が目に浮かぶ。

そんなビースティーボーイズの自由さと電気グルーヴの自由さは、同じ分類なのではないかとふと思うイシコであった。

060623ishiko.jpg::誤解がないように言っておきますが、モンゴルもウランバートルなど、トイレがあるところにはありますから。

この記事へのトラバはこちらへ!
http://blog.cinemacafe.net/cgi-bin/mt/mt-trackback-cc.cgi/4211
映画的ライフスタイル by イシコ at 08:29 PM | コメント (0) | トラックバック (0)
Go To Top

June 08, 2006
かっこいい皺の刻み方

カンヌ映画祭から戻ってきて、初めて試写を観た。

「映画祭に行ってから、映画の見方が変わった?」

戻って来てから、ある人に言われたが自覚はない。しいて言うなれば、どこの配給で、どこの製作か(映画が始まる最初に出てくるロゴのような映像)を、ほんの数パーセントくらい気にして見るようになったことくらいである。数パーセントってたいしたことないなぁと言われそうだが、「東映」の波しぶきと「松竹」の富士山、「MIRAMAX」の夜景、「GAGA」のロボットくらいしか区別がつかなかったイシコとしては、これでも、かなりの成長なのである。

で、『狩人と犬、最後の旅』の試写を観る。ロッキー山脈に住んでいる最後の罠猟師の真実の話である。常日頃、かっこよく皺が刻まれていく年のとり方をしたいなぁと思っているのだが、この映画に登場する主人公ノーマンウィンターは、まさに理想の皺が刻まれている。過酷な自然の中で、ワイルドに生きて来たことを皺が物語っているのである。ふと、2年程前、スゥエーデンのスキー場で撮影をしていた頃、似たような皺に出会ったのを思い出した。

ちょうど、このセレブログが始まった頃である。撮影の打ち上げで、この映画にも出てくる犬ぞりに乗って、1時間程度、山奥へ行った。山奥で、トナカイの肉を御馳走してくれた男性の皺の深さは、まさにノーマン・ウィンターに似た皺だった。

そのとき自堕落な生活で、二重顎になった皺をさすりながら、
「さぁ、俺もかっこいい皺が刻まれるように、明日からワイルドに生きていくぞ!」
そう誓った気がする。

あれから2年。
目の下の小皺が増えたくらいである。

ishiko0608.jpg::ミャンマーのヤンゴンに居るとき、散歩していると、いつも寝ていたイシコ似の犬。お前もワイルドな犬ぞり生活は、絶対、無理だろうなぁ。

この記事へのトラバはこちらへ!
http://blog.cinemacafe.net/cgi-bin/mt/mt-trackback-cc.cgi/4143
映画的ライフスタイル by イシコ at 11:13 PM | コメント (0) | トラックバック (0)
Go To Top

May 09, 2006
僕が生まれた年の話〜『初恋』〜

1968年、僕が生まれた年である。同じ年、3億円強奪事件は起きた。犯人は白バイ警官に扮装していたそうだ。小さい頃、この犯人のモンタージュ写真が、様々な場所に張られていたのをよく覚えている。どう見ても、そこに描かれた犯人像は男性だった。しかし、実はその犯人が実は女子高生だった…。

そんな中原みすずの原作を映画化した『初恋』の試写を観た。オープニングにドキッとさせられた。

白バイのヘルメットを脱いだときにはらりと落ちる長い髪。みすず演じる宮崎あおいである。このドキッは何なのだろう。ストーリーの中では出てこないシーンなのに、このシーンが、きっと今後、僕の頭の中に永遠に残るに違いないと思わせるのだ。先ほども書いたように僕は、モンタージュ写真は覚えているのだが、実際の3億円強奪事件の詳しい事情はよく知らない。よって、これがフィクションなのかノンフィクションなのかが、自分の中で葛藤する、このスリル感がたまらない。

最初のドキッが最後まで続き、僕の頭の中に残るのは、そのせいなのかもしれない。

奪われた3億円は、未だに1枚の紙幣も使われていないらしい。
これもまたミステリアスな想像をかきたたせてくれる。

ishiko_060508.jpg::おひょいさん(藤村俊二)が、映画の中でいい味を出してます。ちなみにこの人は、僕がシンガポールで出会ったおひょいさんです。

この記事へのトラバはこちらへ!
http://blog.cinemacafe.net/cgi-bin/mt/mt-trackback-cc.cgi/3911
映画的ライフスタイル by イシコ at 12:23 AM | コメント (0) | トラックバック (0)
Go To Top

April 19, 2006
耳が目になる

レイチャールズが7歳で失明したことを僕は、つい先ほど、DVDで映画『RAY/レイ』を観て知った。

「聞いては悪いが、あんたは目が見えないのになんで歩けるんだ」
運転手が若きしのレイ・チャールズに聞くシーンがある。
「じゃ、なんであんたは歩けるんだ?」
レイ・チャールズは軽く冗談を交わした後、耳が目の役割を果たすのだということを教える。

同じような台詞を2ヶ月程前にも聞いた。姉の友人の盲目の指圧師と飲んだときのことである。彼女もレイチャールズと同じく、生まれつきの盲目ではなく途中で失明したのだと言う。その彼女は卓球を楽しむのだそうだ。ラケットにボールが当たったときの音で場所を判断するのだそうだ。
「耳が目になるのよ」
彼女はそう言いながら、お湯割りの焼酎をぐびぐび飲んでいた。

果たして、僕の耳は彼らの何分の1の機能を使って生活しているのだろう。せめて、おじいちゃんになるまでにコオロギとスズムシの声くらいは聞き分けられるようになりたいものである。

ishiko060419.jpg::象さんへ。あなたの耳は大きいですが、どのくらい聞こえるのですか?

この記事へのトラバはこちらへ!
http://blog.cinemacafe.net/cgi-bin/mt/mt-trackback-cc.cgi/3822
映画的ライフスタイル by イシコ at 07:36 PM | コメント (0) | トラックバック (0)
Go To Top

April 09, 2006
コタキナバル

すっかりご無沙汰しております。
イシコでございます。
コタキナバルでございます。
どこか?
ボルネオ島でございます。
わからん?
インドネシアとブルネイとマレーシアとで共有しておる島でございます。

もちろん映画館はあるのでございます。
しかも8リンギ(約240円)とメチャクチャ安いのでございます。
物価からするとメチャクチャ安いとは言い過ぎかもしれませんが、日本の映画館と比べるとやはり、安うございます。
いやはやそれよりも今回、お伝えしたいのは、ここは映画の看板が手書きなのでございます。
昔は日本も手書きの看板が多くございました。
「なんだよ。あれ? 薬師丸ひろ子か? 似てね〜」
と言いながら、喜んでいたのを覚えております。
何とも言えない暖かさが残っておりました。
日本には、そんな看板が減ってきたような気がしてならないのでございます。
はい。そんな訳で、コタキナバルでも1本観たのでございます。
何を?

『マージャンマスター』
マーレシア映画?
いえ。香港映画だと思われます。
面白かったかって?
はい。昔のサモハンキポーが出てきそうな映画で、最後のテロップでお約束のNGシーンが流れておりました。

::一番、手前はブルースウィルスのようである。結構、似ている。ちなみに僕が観たのは、その向こうの『ビーバップハイスクール』(約20年前の仲村トオルが学生服だった映画である)みたいなポスターである。

ishiko0409.jpg

この記事へのトラバはこちらへ!
http://blog.cinemacafe.net/cgi-bin/mt/mt-trackback-cc.cgi/3787
映画的ライフスタイル by イシコ at 10:17 PM | コメント (0) | トラックバック (0)
Go To Top

カコキジ!
Mar 10, 2006 いやぁ、水野晴郎さんって本当にいいですね
Feb 14, 2006 メコン川で子供と対決2
Feb 10, 2006 メコン川で子供と対決(1)
Feb 8, 2006 JR札幌駅で有頂天
Jan 30, 2006 トミー・ザ・クラウンに会う
Jan 12, 2006 パックをしながら観る映画
Dec 5, 2005 クリスマスは好きですか?
Nov 14, 2005 8年目の真実
Nov 10, 2005 1ヶ月のビデオライフの中で
Oct 7, 2005 ミッレミリア→アモーレ→レアルマドリッド→ドッジボール→ルイジアナ→なすび
Sep 26, 2005 ヅカる
Sep 16, 2005 世界一周
Sep 9, 2005 日本の誇りとチェコの誇り
Aug 29, 2005 カンフーハッスル@プラハ
Aug 25, 2005 プラハ行き機内での過ごし方
Aug 5, 2005 く〜ら〜
Jul 24, 2005 ダンス映画三昧
Jul 20, 2005 自己分析の恥ずかしさ
Jul 14, 2005 メタリカ、カニリカ、ブリタニカ
Jul 12, 2005 バンコクで観るなら宇宙戦争?日本映画?
Jun 27, 2005 スティールパン
Jun 17, 2005 観るの活用形
Jun 9, 2005 祝!ドイツワールドカップ出場決定!
Jun 6, 2005 無人の街
Jun 1, 2005 夢にあうワイン
May 31, 2005 英語しか出てこないDVD
May 11, 2005 マークニューソン×皆川明×柳本浩市×中村哲也×野宮真貴×イシコで展示会だ〜い
May 9, 2005 皇帝ペンギン
Apr 28, 2005 癒されたのか?疲れたのか?
Apr 21, 2005 シンガポールの映画館心得
Apr 6, 2005 その国の楽しみ方
Apr 5, 2005 見つめ合う二人
Apr 2, 2005 ハイティーとアフタヌーンティー
Mar 31, 2005 はふんひょう
Mar 25, 2005 生かされて
Mar 22, 2005 あっ!ビジュアリストだ!映画監督だ!いや違う!怪優だ!
Mar 15, 2005 見てはいけない光景
Mar 9, 2005 パーティー嫌いと低酸素室
Mar 7, 2005 パンツのゴムが悟りを開く
Mar 4, 2005 ジム・キャリーとホワイトマン
Feb 23, 2005 ひぶや
Feb 21, 2005 アジアのクラウン
Feb 4, 2005 トルコとギリシア
Feb 3, 2005 力士の話
Feb 1, 2005 イシコ×オタク系
Jan 27, 2005 一ヶ月で60万歩
Jan 19, 2005 ハンドベルの音
Jan 14, 2005 目的のない沖縄の旅
Jan 7, 2005 「今年もよろしくお願い申し上げますの「よろしく」って
Dec 28, 2004 5冊105円
Dec 20, 2004 スーパーサイズミー(寿司編)を終えた週末
Dec 8, 2004 韓国シリーズ4
Dec 3, 2004 韓国シリーズ3
Nov 22, 2004 韓国シリーズ2
Nov 18, 2004 韓国シリーズ1
Nov 8, 2004 ふくしまの米とグッチの財布
Nov 5, 2004 おバカ映画の定義
Oct 26, 2004 俺の路
Oct 21, 2004 誰の目で見るか
Oct 4, 2004 浜田社長のボタン2
Oct 1, 2004 初対面でかける最初の言葉
Sep 24, 2004 パーティーで着る服
Sep 17, 2004 笑いが不謹慎とされる場所
Sep 14, 2004 20年前のブルータス
Sep 6, 2004 浜田社長のボタン
Sep 3, 2004 予言:いずれ競歩をやるだろう!
Aug 30, 2004 ホワイトマンって何?
Aug 24, 2004 モンスターはシャーリーズ・セロン
Aug 20, 2004 花火はどこで見るか?
Aug 16, 2004 13年前のイシコ
Aug 5, 2004 中学校の先生に授業するホワイトマン
Aug 3, 2004 バンデラス、バンデラップ、バンデラップス
Jul 29, 2004 僕の席はどこ?
Jul 26, 2004 モンゴルの映画館とハンバーガー
Jul 12, 2004 なが〜い京都一日旅
Jul 8, 2004 がんばれアメリカンドッグ
Jul 6, 2004 暗闇は不安? 癒し?
Jul 5, 2004 自分の撮った映像を見続ける日
Jul 5, 2004 マニアックと業界人
Jun 26, 2004 不自然な明朝体
Jun 21, 2004 揺れる機内でビンゴゲーム
Jun 21, 2004 長期滞在のおかしな人々
Jun 17, 2004 イミグレーションで歯を磨く男
Jun 11, 2004 鴨川な一日
Jun 8, 2004 Oh〜、メル〜
Jun 7, 2004 いつも借りるがいつも見ないで返すビデオシリーズ
Jun 3, 2004 九段下闊歩
Jun 1, 2004 ふにゃふにゃ
May 31, 2004 タオイズムな一日
May 30, 2004 酸っぱいコーヒー
May 27, 2004 秩父三昧と上海気分
May 26, 2004 目的のないドライブ
May 25, 2004 アクションコメディのマイケル・ダグラス
May 24, 2004 眠る動物イシコ
May 23, 2004 ホワイトマンの解釈
May 21, 2004 ノロケとヒューヒュー
May 19, 2004 つまようじ王国
May 17, 2004 五黄土星申年の改革
May 14, 2004 子供の日記風
May 11, 2004 タンポポ
May 9, 2004 イシコの交遊録
May 8, 2004 祈りについて
May 7, 2004 落ちこぼれ数学者×最先端の数学者の対談
May 6, 2004 15歳の自分
May 6, 2004 羅生門の門はどこ?
May 5, 2004 へんてこな飲みライフ
May 4, 2004 ヒーリングプラネタリウムで堕ちる
May 3, 2004 目的のない温泉旅行
May 2, 2004 家主の居ぬ間に
May 1, 2004 ロマンスの由来
Apr 30, 2004 言葉がいらない
Apr 26, 2004 大好きな芝居と大好きな飲み仲間
Apr 22, 2004 ゲイの発展場!?
Apr 19, 2004 21
Apr 16, 2004 髪結いの亭主にまつわる一日
Apr 15, 2004 「べらんめ〜」が似合う人
Apr 12, 2004 取材の頭
Apr 9, 2004 15年ぶりのスキー
Apr 2, 2004 ラッセル・クロウがサーブする鹿料理
Apr 1, 2004 スウェーデンでボケているイシコより