フランスに来て感じたことのひとつに、日本との色の違いがある。人々が好む色が違ったり、色彩感覚が違ったりする。それが街並みやインテリアに反映されたりしているわけだが、花の色づかいにしても、日本ではされないような組み合わせ方をしてみたりして、何ともいえない美しさを生んでいる。そもそも花そのものの色の違いもあるような気がするのだが、それは四季の色の違いにも繋がっている。
写真は今日訪れたパリのリュクサンブール公園の様子。木々がシックな秋色に染まっていて、冬の訪れを予感させる。人々が束の間の秋を楽しもうと賑わいを見せていた。池に貸しミニ帆船を浮かべ楽しんでいる子供たちを横目に、何だか感傷的になってみたり。ワイン色に染まった木々を見ているうちに、ワインが飲みたくなってマレにあるお気に入りのワインバーへ行く。
「しっかりした赤ワインが飲みたいんだけど…」何となく飲みたいワインの雰囲気を伝えると、いつもカウンターで本を読んでいる女性店主がお勧めのワインを出してくれる。グラスワインを頼むときでも、試飲をさせてくれるのは嬉しい。「おいしい!これで。」この日の1杯目はコート・デュ・ローヌをもらう。フランスでは銘柄というよりも産地でワインを呼ぶことが多い。
ここは夜になると賑わうマレのカフェが立ち並ぶ通りにある「La belle Hortense」。カフェと本屋とワインバーが合体したような店で、カウンターの向かいに書棚、奥に進むと小さなテーブルがあり、心地の良い音楽が流れている。なんとなく独特な空気感のあるこの店で出されるワインはいつもおいしい。
フランスに来てスーパーでジュースとワインが同じ値段で売られていることに驚きながら、おいしいワインを何度となく味わったが、残念ながら講釈をここに書けるほどの知識はない。厳密なワインの味はパーカーさんに任せてしまいたい私にとって、やはりワインは花と同じように、その時間や空間を楽しむためのひとつのモノ。別にルールは要らないけれど、その時その場に合ったものが一番いい。逆に言えば、同じ花でも生ける場所によってまったく違う表情を見せるように、ワインもどこで誰とどんな風に飲むかでおいしさが変わる。
日の落ちるのが早くなり、薄暗くなってきた街を眺めながら、オレンジいろがかったレンガ色のワインを飲んでいると、なんだか秋を体に注いでいる気分になった。
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「La belle Hortense」
住所:31 rue Vieille du Temple 75004 Paris
電話番号:+33 (0)1 48 04 71 60
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