どうしてこんなところで待ち合わせしまったのだろう。どうして中途半端に早く到着してしまったのだろう。どうしてこんな派手な格好をしてきてしまったのだろう。東京宝塚劇場の前で待ち合わせをしていたイシコの気持ちである。
NO.30ち〜ムーンの高校の後輩で雪組の水夏希という人気のある女優が居る。時々、高校時代のミュージカル部のOG会で応援に来るそうで、今回、チケットに余裕があるというのでイシコも便乗させていただいたというわけである。
そんなイシコは安易にち〜ムーンと劇場前で待ち合わせをしてしまったのである。いつも待ち合わせ時間ピッタリか少し遅れ気味のイシコなのに今日に限って約束の時間の20分も早く到着してしまったのだ。だいたい派手な格好が多いイシコだが…、もうくよくよするのをやめた。諦めてトコトン宝塚劇場の前を堪能することにした。女、女、女なのである。たまに男が居ると「お〜、お前も大変じゃのぉ」と抱きしめたくなるほど、不安気に劇場の中に入っていく。水色のシャツというかジャケットというか着ている人達が居る。それはトップスターの朝海ひかるのファンクラブの方達らしい。う〜む。あれはいわゆるスタッフジャケットというものと同じなのだからして、きっと支給? いやいや、きっと買うのだろう…。もう詮索もやめた。
と思ったところでち〜ムーンがやってきた。「もっと地味な服着てこればいいのにぃ」と予想通りの言葉をいただいた。ともかく劇場の中に入る。劇場に入っても当たり前だが女、女、女。よく男子トイレがあったものである。ち〜ムーンの母校も女子校なので、OG会の面々も女、女、女である。まるで女子大の学食に紛れ込んでしまったかのよう(紛れ込んだ経験はないのだが…)だ。年功序列で客席は割り当てられているようでち〜ムーンと一緒の僕は前から2列目である。我々もかなりの年齢になってきていることをこんな場所で実感するとは思わなかった。
雪組の公演が始まった。少女漫画の世界が舞台上で繰り広げられ、衣装もきれいでメチャクチャ面白いのである。ただ、僕のような宝塚初心者の唯一の難点は出演者のメイクがほとんど同じに見え、
衣装が変わったりすると、どれがどの人かわからなくなることがあるのだ。そのうち髪型で判断するようになる。そして、宝塚独特の普通のお芝居よりも0コンマ何秒遅く台詞をためて、ためて、たっぷり出すような感じである。メチャクチャ楽しい3時間を過ごさせていただいた。正直、また来てみたいと思う。ただ、一人で来る勇気はない。男性二人で来る勇気もない。宝塚が好きな女性と来る勇気ならある。そんな風に思う映画ってあってもいいかなぁと帰り道思うイシコであった。
::たぶん、非日常的な女性だけの情景をイシコはこんな感じで眺めていただろう。