「八月六日にひろしまで花を生ける」
ジャンル、年齢、性別、キャリア、国籍その他のことを越え、「その日」に広島の地で花を生けようというイベント「国境の無い花たち展」が今年も広島の紙屋町シャレオ中央広場で開催された。今年は戦後60年にちなみ、会場には60の作品が飾られた。いけばな作家、フラワーデザイナー、花屋等花に携わっている人たちが一堂に集う。平和のためになんておこがましいかも知れないけれど、私も1人の花に携わる人間としてこのイベントに賛同している。
今年は61番目の参加者としてフランスで花を生けようと、日頃からお世話になってる花屋さんへ行く。店主に事情を説明すると即OK。材料の提供まで申し出てくれた。いつもとはまた違う感覚を感じながら、現在の自分を花に託すつもりで生けていると、
パリのトップフローリストである店主が遠慮気味に尋ねてきた。
「そのイベントは日本人のための日本人によるイベントだよな?」
「会場に60の花しか展示しないんだよな?」
8月6日は広島に住む人にとって特別な意味を持っているが、それはべつに広島に限ったことではない。日本にとって大きな日であるし、世界中の人にとって大きな日だ。もちろんその日に広島で花を生けることにも意味があるのだろうが、そんなことより自分は何番目の参加者でもいいし、世界のどこにいても花を生けるという行為がより大切なのではないかと思う。それこそが「国境の無い花たち展」のあるべき姿なのではないか。そんな気持ちを素直にぶつけた。
しばらくして、彼が言った。
「自分も生けたい。」
そんなわけで、今年は写真での参加が2名。花を生けられることに感謝。