私の流派である相阿弥流の教えに次のような言葉がある。
「生花は花を生けるにあらず 心を生けるなり」
日本の伝統的な花に対する考え方の一端が垣間見える。こちらに来て感じられた、文化背景による花のとらえ方の差異はとても興味深い。フランス人にとって花は、花以上でも花以下でもない。これは批判的な意味で書いているわけではなく、そのことが逆に日本とは違った可能性を引き出すところがあるのだと思うのだ。いけばなという多少かしこまったイメージのあるモノを基盤としている私は、こちらに来てからより一層、花の可能性という観点から花をいけることが増えたように思う。まあ平たく言えば、色んなことをしているつもりなわけです。
そんなわけでそのうちの1つ、先日行われたYAMATONATTOの公演の舞台の写真。YAMATONATTOとは以前のブログでも書いたが、パリで活動するポップなアーティスト集団。私は今回のコンセプトである天地を繋ぐ「蜘蛛の糸」からのインスピレーションで舞台装飾。公演自体も前売り券が完売で、残念ながら会場に入れなかった人もいたほどの盛況ぶり。
自作の衣装をまとった白塗りの2人が、即興音楽をバックに舞踏を披露。一種独特な空気感が漂う、なかなかの舞台だった。
現在は春から準備をしている映像作家とのプロジェクトを進行中で、秋にはパリにその新しい「花」を咲かせる予定。最近は何とも地味な作業の毎日だが、ウズウズしながらそんな日々を送るのが嫌いではない。